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2013年5月 9日 (木)

正社員削減は日本経済再生を逆走の道!

【私の意見】Up63

 第2次安倍政権が誕生して、規制改革会議や産業競争力会議が息を吹き返しています。下記に5月4日の朝日新聞記事と日本経済新聞記事を引用します。
 私は朝日新聞記事にあるように、正社員を減らし非正規労働者との中間的存在となる限定正社員を増やすことは、解雇しやすい労働契約の拡大につながると思います。
 日本経済新聞は次のように述べています。

「日本の現状を見れば。労働市場改革は避けて通れない。開廃業率は米国、英国に比べて低調。いわゆる社内失業者は最大600万人いるとされる。雇用の流動化の仕組みを欠き、企業が余剰人員を抱えたまま産業の新陳代謝が進まない」
「痛みを伴う改革を棚上げする政治体質を脱しない限り、いつまでたっても矢は経済再生の的には当たらない」

はたしてそうでしょうか。日本の上場企業の大多数は財政体質が年々強化され、金融機関からの借入金への依存度はとても小さくなっています。労働分配率を減らし、世界の企業群の中でも決してひけをとらない強靭な体質をつくりあげています。
 その上何よりも強いのは日本企業の製造する製品の質の高さ、日本企業が提供するサービスのきめこまやかさです。それは戦争に敗れた廃墟の中から、社長も一労働者も一体となってよりよいモノづくり、よりよいサービスの提供に励んできたからです。一部の利口な幹部たちの力に頼るのではなく、一労働者、一女子社員が製品とサービスのカイゼンをめざした成果です。利口なエリートたちの発想は似たりよったりで、彼らだけで世界で勝ち抜けられると思うのは大間違いです。社員を正社員、限定正社員、非正規労働者に階層分けすることは、結局社員総体のモラルを低下させ、斬新な発想の芽をつむ結果になります。日本経済再生のためにこそ、より一層正社員を大切にするべきであり、これを削減するのは経済再生の道を逆走するに等しいものだと私は思います。

【限定正社員 光も影も 職種や地域限定、政権が推進策】
                   (2013年5月4日 朝日新聞 より)

 正社員だけど、モーレツではなく、働く職種や地域が限られる。仕事がなくなれば解雇される可能性もある――。そんな「限定正社員」を広げる議論が安倍政権で進む。「働きやすさ」を高めるねらいがあるが、「解雇しやすさ」につなげる思惑ものぞく。

<家庭重視も可・解雇簡単に?>

 政府が注目するのは、転勤や配転、残業もありの正社員と違い、職種や勤務地などを限った働き方だ。いまでも導入する企業は珍しくない。経済成長につながるとして、経営者や学者らでつくる政府の規制改革会議などが普及策を検討し、6月にまとめる成長戦略に盛り込まれる見通しだ。
 背景には、いままでの正社員のあり方に不満を持つ働き手や企業の存在がある。働き手にすれば不本意な転勤や長時間の残業を拒めず、公私のバランスをとりにくい。企業にすれば仕事がなくなっても解雇しづらいため、非正規労働者を多く雇ってしまう。
 そこで、正規と非正規の中間のような働き方が広がれば、「正規と非正規に二極化した働き方の解消につながる」(規制改革会議)というわけだ。規制改革会議は限定正社員の利点に、非正規労働者の雇用の安定▽子育てや介護と両立した働き方の促進▽女性の活用▽転職市場の拡大を示した。
 ただ経営側には「雇ったあとに正社員と同じ丸抱えでは困る」との考えがある。雇用の保障度合いが正社員と同じでは、導入する利点が薄れるためだ。規制改革会議は限定正社員の雇用ルールを政府が明確にすることを求めている。
 焦点は、どんな場合なら退職させられるかだ。経団連は、労使が「仕事がなくなれば終えられる雇用契約」の導入で合意していれば、従来の正社員より雇用が守られないことを法律に書き込むよう主張。一方、連合は「解雇しやすい働き方が広がる」(幹部)と警戒する。(山本知弘)

【雇用改革 尻すぼみ 人材流動化は棚上げ】
            (2013年5月4日 日本経済新聞 より)

 政府が成長戦略に盛り込む雇用改革は、どの政策を選ぶかで議論が迷走した。夏の参院選での得票を意識し、優先したのは人の移動を促す助成金。人材の新陳代謝に必要と企業が望んだ解雇規制の緩和は不人気政策のため立ち消えになった。痛みを伴う改革を棚上げし、日本経済の競争力強化という本丸の議論にはたどりつかない。

<野党から批判>

 「次の標的はうちだろう」。第2次安倍晋三内閣が発足して間もない今年初め。日銀法の改正をちらつかせる安倍首相から、大胆な金融緩和を強く迫られる日銀の姿を見て、厚生労働省幹部は警戒心を強めていた。消えた年金記録の問題で前回の自公政権が選挙に大敗して政権交代した記憶も残る。 
 折しも経済財政諮問会議など民間人を交えた政策決定の場が続々と立ち上がった。担当部局は民間議員向け「ご説明ペーパー」を作り始めた。抵抗勢力扱いされたくない。政権失速のきっかけを作ってはならない。組織防衛本能が省内を覆った。
 転機は3月15日の産業競争力会議。民間議員は企業が正社員を解雇しやすくなるルール整備を求めた。だが、野党は「解雇」の文字だけに反応し「安倍政権はクビ切りを容認」と批判。首相は国会で弁明に追われた。
 今ある助成金を組み替える案なら野党の攻撃をかわせる。首相の防御策として厚労省は代替案を用意していた。従業員を一時休業させる企業を支援する「雇用調整助成金」を減らして転職支援への助成に切り替える。首相は防御策を選び、「失業なき労働移動」の看板を掲げた。
 競争激化に直面した日本企業は解雇しにくい正社員を増やせず、非正規労働者で人手を補ってきた。最大の犠牲者は若年フリーター層だ。解雇規制が緩めば企業は必要な時に正社員を雇いやすくなり、非正規との格差は縮む。なのに国会の議論は単に解雇がいいか悪いかという狭い議論にとどまる。すでに雇われている正社員を守る解雇規制が人材の流動化を阻み新たな雇用機会を奪う負の側面からは目を背けた。

<ちらつく選挙>

 ある政府会議の委員は「官邸から『解雇の話は難しいから参院選後に』と言われた」と明かす。厚労省幹部の一人は「解雇ルールは民間議員が勝手に言い出しただけ。決めるのは首相だ」。官邸主導は省庁が自らに都合のよい政策を選ぶ隠れみのになった。
 日本の現状を見れば、労働市場改革は避けて通れない。開廃業率は米国、英国と比べて低調。いわゆる社内失業者は最大600万人いるとされる。雇用の流動化の仕組みを欠き、企業が余剰人員を抱えたまま産業の新陳代謝が進まない。
 政府は解雇や労働時間規制の議論を参院選後に再開するという。法改正には1年ほど検討が必要で「法案をまとめる頃には次の衆院選がちらつき、激変を避ける空気が強まる」(厚労省幹部)。痛みを伴う改革を棚上げする政治体質を脱しない限り、いつまでたっても矢は経済再生の的には当たらない。
 

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コメント

社員区分の細分化で業績が上がるか?
「采配次第だができない」
「形だけの仕事をする高給取り」
「働かない高給取り」
「責任を取らない高給取り」
が多い企業の業績に注目。
現場を支えるのは労働者。
労働組合組織の存在価値はない?
政治資金源の存在としては不要だ。

投稿: | 2013年5月11日 (土) 02時15分

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