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2012年12月17日 (月)

40~50代の賃金抑制 65歳雇用の原資に

              (2012年12月15日 日本経済新聞 より)

<改正高年齢者雇用安定法>

 厚生年金の受給開始年齢引き上げにより、定年後に無年金・無収入の人が増えることを避けるため、企業に希望者全員を65歳まで継続雇用することを義務付ける。2013年4月に施行され、雇用を義務付ける対象の年齢が段階的に上がる。25年4月からは65歳までの希望者全員を雇う必要がある。企業の人件費負担の増大や若年者雇用にしわ寄せが出るとの懸念もある。

<NTTグループ>

 NTTグループは社員を65歳まで継続雇用するため現役世代の人件費上昇を抑制する賃金制度を2013年秋から導入することで労使合意した。40~50歳代を中心に平均賃金カーブの上昇を抑え60歳から65歳の賃金原資を確保。14年4月から希望者全員を再雇用する。社員20万人を抱えるNTTの労使合意は産業界が模索している高齢者雇用のひな型となりそうだ。

【労使が合意、来年秋から】

 企業に雇用延長を義務付ける改正高年齢者雇用安定法がこのほど成立。人件費の負担をどう抑えて高齢者の継続雇用を実現するかが企業の課題となっている。
 現在も定年後の継続雇用制度を持つ大手企業は多いが、現役世代の賃金体系を見直すケースは少ない。
 NTTグループ主要8社の労使は14日までに組合員18万人を対象に賃金体系を見直すことで合意した。管理職2万人については今後検討する。まずNTTドコモやNTTコミュニケーションズ、NTTデータ、持ち株会社の4社で14年3月末に60歳定年を迎える1000人弱が新しい継続雇用制度の対象となる。
 継続雇用の原資を確保するために賃金制度を抜本的に改定する。詳細な制度設計は各社で詰めるが、原則として年功要素の強い基準内賃金を圧縮、成果反映を強める賃金制度を導入。成果の高い社員は年収が上がるが、成果部分の比重が高まる40歳前後から上の世代の平均賃金カーブの上昇は従来より緩やかになる。
 60歳以上の社員と現役世代が賃金を分かち合う仕組みとなり総人件費の上昇を抑制。65歳まで勤務すると平均生涯賃金が従来制度と大きく変わらないようにする。
 NTTグループは現在も継続雇用制度があるが「雇用期間中の欠勤日数が50日以下」などの条件があった。新制度ではこれを撤廃、希望者全員を再雇用する。210万~240万円だった60歳以上の年収を300万~400万円に引き上げる。
 またNTT東日本、NTT西日本など4社の継続雇用制度は23年からの導入となる。4社は現在50歳以上の社員を地域子会社に転籍させているため当面、新制度の対象とはならない。転籍制度は廃止する。
 経団連は13年の春季労使交渉の指針として、雇用延長のため中高年層を中心に賃金カーブ見直しを掲げる方針だ。試算によると義務化により継続雇用者の比率が現在の74%から90%に高まると企業が支払う賃金総額は5年間で2%増えるという。
 日立製作所は健康状態に問題のない希望者全員を継続雇用、トヨタ自動車も1年ごとに契約更新して65歳まで就労可能な制度を持つ。大手企業の多くが定年後の継続雇用を実施している。ただ現行の制度下では労使協定を結べば継続雇用の対象者を選べる例外規定が認められていた。

【私の意見】Up63

 ヨーロッパでは定年が延びることに怒る人が多いですが、日本ではほっとする人の方が多いですね。60歳以降のセーフティーネットが十分でないことの反映でしょうね。でも60歳で社会の一線から退くのはもったいないのも確かです。定年延長が若い人たちの採用抑制、所得抑制にならないようにすることが第1の政策課題だと思います。とりわけ採用抑制は見た目では具体的な人を誰も犠牲にしていないように見えるので、使用者側はついついこの選択を容易にしがちですが、それは結果的には企業や社会の老化を早めるだけです。

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