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2011年12月 7日 (水)

危機後の良い会社とは?共生こそ経営の要

【私の意見】Up63

1 日本経済新聞が実施した企業総合評価NICES(ナイセス)の結果が発表されました。NICESは企業を取り巻く様々なステークホルダー(利害関係者)に着目、それぞれの視点ごとに企業を総合評価しこれらを合算して総合ランキングを作成する仕組みです。

2 1位はNTTドコモ、2位は武田薬品工業、3位はキャノンでした。キャノンが雇用で1位の評価を受けていたのは意外でした。偽装請負などでマイナスのイメージが強かったのですが、創業者の精神が基本的には貫かれているのだなと見なおしました。

3 この十数年、会社法の世界はコーポレート・ガバナンスばかりが強調されてきました。横文字(カタカナ)に弱い日本人は横文字だけが一人歩きし、それがすべてになる傾向があります。しかし、この十数年間叫ばれ続けてきたコーポレート・ガバナンンスは企業における株主利益であり株主支配の徹底でした。これは投資家の保護を優先する米国社会の論理です。米国でもこの論理が破綻しつつあります。

4 日本では30年前までは、企業は人なりという経営哲学が経営者の口から当然のごとく語られていました。株の取引をする人を投資家と言わず“株屋”と呼んで冷やかにみる傾向がありました。小泉・竹中両氏が推進した「構造改革」以後、日本人のかなりの層が「投資家」となり株価に一喜一憂する国となりました。でも現在でも、東日本大震災で立ち上がれない人々や、工場労働者や、女手一つで必死に子育てをしている女性にとり投資(株取引)など思いもよらないことです。

5 日経総合評価NICESはステークホルダーとしての投資家や取引先を重視しており、その意味では株主の視点が強い面がありますが、従業員や社会の評価項目も重視しており「良い会社」とは何かを考える上で貴重な材料を提供してくれると思います。
 以下、少し長くなりますが日本経済新聞(11月30日)の新聞記事を引用します。

【NICES(ナイセス)】

 企業を取り巻く様々なステークホルダー(利害関係者)に着目、それぞれの視点ごとに企業を評価し、これらを合算して総合ランキングを作成する仕組み。日本経済新聞社が日経リサーチ、日本経済新聞デジタルメディアと共同で開発した。評価の側面は5つで各200点満点。合計1000点満点で総合評価する。2010年12月に2010年度版を掲載し、本格的に作成を始めた。

【認知度・働きやすさ・潜在力 「良い会社」ドコモ1位 総合評価NICES】

 日本経済新聞社は29日、総合企業ランキング「NICES(ナイセス)」の2011年度版をまとめた。業績の変動に加えて消費者の認知度、従業員の働きやすさなど幅広い観点から上場企業を評価するシステムで1位はNTTドコモ、2位は武田薬品工業、3位はキヤノンだった。強固な顧客基盤や製品力をテコに、積極投資で成長戦略を加速する企業が上位に並んだ。
 NICESは5つの視点から企業を総合評価する。配当や株式時価総額など「投資家」、認知度など「消費者・取引先」、女性や多様な人材活用といった「従業員」、雇用者数や社会貢献という「社会」、将来の成長力を測る「潜在力」の5側面。各側面のランキングを作成し、合計して総合順位を決める。
 1位のNTTドコモは携帯電話事業で高い利益率を確保している。純利益の4割超を配当に回すなど株主配分にも前向きで「投資家」で高得点を獲得。定年後の人材の活用も推進しており「従業員」でも評価が高い。
 2位の武田薬品工業は海外M&A(合併・買収)に積極的で「潜在力」で最高の評価を獲得した。3位のキャノンは「消費者・取引先」と「社会」で特典が高い。
 「投資家」などで評価が上昇した花王は11位から4位に順位を上げた。東日本大震災や円高の影響を強く受けた自動車や電機では順位を落とす企業が目立った。

【危機後の「良い会社」は 共生こそ持続的経営の要】

 米ウォール街でわき起こった大規模デモは、2008年のリーマン・ショックの爪痕がいかに大きいかを見せつけた。
 リーマン・ブラザーズなどの投資銀行は、目先の収益競争を意識するあまり住宅への過剰投資にまい進した。そうして膨らんだバブルが崩壊した結果、米国は3年後の今も9%の失業率に苦しんでいる。デモは、企業が経済という公器を傷つけた反動ともいえる。
 企業の評価軸は、危機を経て変わりつつある。「公益資本主義」「持続的経営」。経営者や株主はこんな言葉を使い始めた。目先の利益は犠牲にしても、幅広いステークホルダー(利害関係者)と共生してはじめて安定的に経営できると気づき始めたからだ。
 新しい発想というわけではない。米ジョンソン・エンド・ジョンソンが経営理念「我が信条」を制定したのは1943年のことだ。
 同社は、ステークホルダーに対する責任に優先順位をつけた。顧客、社員、社会、そして最後に株主。幅広く目配りすれば利益は自然についてくるし、それこそが健全な利益という考え方だ。
 この発想が浸透していれば、ウォール街の投資銀行はバブルとその崩壊を生む競争投資から降りていたはずだ。もちろん日本にも当てはまる。オリンパスは、ステークホルダーすべてを欺く損失隠しに手を染めなかっただろう。
 今回の調査で総合首位はNTTドコモ。項目別に見ると「投資家」の視点で首位だっただけでなく「消費者・取引先」「従業員」「社会」でも1ケタ台の高順位となり、順位もそれぞれ昨年より上げた。危機後の「良い会社」の典型といえる。
 危機は、米一極経済から極が多数ある経済へという世界経済の地殻変動も決定づけた。
 米国は住宅バブル崩壊の重荷に今も苦しんでいる。ライバルの欧州も、膨大な政府債務を圧縮しながら成長する難題に直面する。日本には人口減や電力不足の逆風が吹き付ける。先進国の低成長が避けられないなかで、新興国が中国を筆頭に存在感を増している。
 ランキングも「西から東へ」という経済の重心の移動を映し出した。中国への収益依存度が高い企業を見ると、コマツが7位、ダイキン工業が11位と上位に顔を出した。コストの安いアジア各国を生産拠点として業容を拡大する家具チェーンのニトリホールディングスは、103位から33位へと大幅に順位を上げた。
 日本経済の課題もちらついている。上位には老舗企業ばかりが目立ち、若い会社の存在感が小さい。上位10社の「平均年齢」は60歳だ。
 もちろん老舗も変革を繰り返して成長できる。創業100年を超える日立製作所は、機械やインフラ事業へのシフトで業績を伸ばし、48位も順位を上げて13位に入った。
 だがそれだけだと「日本の起業家精神はどこに?」との疑問も浮かぶ。例えば危機後もベンチャー精神が根強い米国なら、創業100年のIBMとともに、若い会社が上位に並ぶのではないか。

【内需企業、順位を伸ばす】

 日本経済新聞社が日経リサーチ、日本経済新聞デジタルメディアと共同で開発した上場企業の総合ランキング「NICES(ナイセス)」2011年度版では、NTTドコモが1位になるなど、内需型企業の順位上昇が目立った。

 企業のステークホルダーに着目し、「投資家(Investor)」「消費者・取引先(Consumer)」「従業員(Employee)」「社会(Society)」という4つの基本的な指標と、これらを補完し、革新性や将来性をみる「潜在力」の指標から、企業を総合評価するのがNICESの狙い。4つの基本指標の英語の頭文字を先頭に日本経済新聞社の「N」を付けて名称としている。
 ランキング1位のNTTドコモは前回の4位から順位を上げた。ほかに4位になった花王(前回は11位)、5位の資生堂(同6位)、6位のセブン&アイ・ホールディングス(同32位)など、収益基盤の多くが国内にある企業の躍進が目立った。
 これらは国内の消費者の厳しいニーズに対応して製品やサービスを改善させ、業績は比較的安定している。内需だけでなく、新興国などへの海外進出も加速している。「投資家」や「消費者・取引先」の得点が高いのが特徴だ。
 上位100社のうち、約7割を製造業が占めた。円高や政界的な景気減速の影響で全般に順位を下げたものの、3位のキャノン(同1位)や8位のホンダ(同2位)などグローバルに事業を展開している企業は引き続き上位に名を連ねている。これらはブランド力が強く、雇用の面でも社会的な貢献が大きい。キャノンは「消費者・取引先」などでホンダは「潜在力」や「社会」などで高い評価を得た。
 電機は100位以内に15社が入り、業種別では最も多かった。金融危機後の業績悪化などで「投資家」の得点は相対的に低く抑えられたが、「潜在力」の高得点でカバーした面がある。
 今期業績が最高益をうかがうユニ・チャームは前回の16位から9位に、同じくクラレは23位から20位に順位を上げた。規模の面では自動車や電機に劣るため「社会」の項目での評価はさほど高くないが、そのほかでバランスよく得点を稼ぎ、上位に入った。

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コメント

日本における株価の予想も、
障害者や高齢者の雇用率も
踏まえた企業が良いと思われます。

投稿: 智太郎 | 2011年12月 7日 (水) 16時17分

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