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2010年12月28日 (火)

アジアの大国から日本が滑落の現実と将来

【私の意見】

<アジア一の強国からアジアの閉鎖された並の国家へ>

 私たち日本人にはJapan As Number One. と言われた時期が懐かしく、いつかまたという思いがあります。私の中にもそうでした。しかしそれはもうあり得ないことだと最近ようやく私は悟りました。
 日本は元々アジアの小国です。領土の広さにしても人口の多さにしても極東の並の国に過ぎません。それが明治政府の富国強兵・脱亜入欧政策が功を奏し、眠れるアジアの国々を尻目にアジア一の強国にのしあがりました。第二次世界大戦後は、米国の庇護のもと経済発展にすべての力を注ぐことによりGDP世界第二位の国となりました。今年、GDPで中国が日本を抜くのは確実です。
GDPに限らず、あらゆるものが中国中心に動き、これにインドが加わり韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアも独自のものを携えて日本を凌駕しつつあります。これは歴史の自然な流れであって、むしろ日清戦争(1894~1895年)を境に日本はアジアの覇権国家としての地位を不当に占めつづけました。第二次世界大戦後の日本は武力こそ使わないもののアジアに対する目線は戦前と大同小異でした。
 私は、2010年11月5日~7日法律事務所グループの旅行で12年ぶりに香港を訪れ、そのエネルギーに圧倒されました。沈みゆく極東の鎖国のクニニッポンを実感させられました。

<主従逆転>

 日本の企業は中国やインドをはじめとするアジアでのシェア拡大に生き残りの道をかけています。企業が生き残りをかけてアジアに進出するのは企業行動として当然のことです。しかし、今やアジアと日本の関係で主従が逆転していることを自覚するべきです。アジアの国々に製品やサービスを買ってもらうために日本企業はすりよろうとしていますが、アジアの国々は日本を選ばなくとも選択肢がたくさんあります。日本がなくてはならない国ではなく One of Them にすぎなくなっているのです。良質の製品をつくれば必ず買ってくれるとあぐらをかいている間に、韓国や台湾が良質で廉価な製品を提供し、日本の存在感は年々小さくなっています。

<これからの日本>

 とは言え、日本と言う国家も日本人も今なおアジアの中でも世界の中でもとても恵まれているというのが私の意見です。
 自然環境という面では地震や台風という自然災害があるもののアジアの温帯モンスーンに属し、降水量も多くおだやかな生活が享受できています。BSニュースでヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国の寒波で雪で真白な光景を見るとおだやかな日本の気候との違いに驚きます。まわりを海に囲まれ水産資源にも恵まれています。
 人口が減少しつつあると言っても、1億2千万人は外国の市場をあてにせずともそれだけで成り立つ市場規模です。色あせてきたとは言え、日本のモノづくりの技術や日本文化には今なお世界で注目される長所があります。私たちはよその国で荒稼ぎする企業に喝采を送るよりも、日本という島にいる人々(外国人や外国企業も含め)が楽しく生きれる道をもっと追い求めるべきです。大手企業が生き残りをかけて海外に生産・販売拠点を移す動きは止められませんが、日本企業がアジアでシェアを拡大することと日本に住む一人ひとりの幸せはまた別問題です。日本の政治家や経済学者やマスコミはこの点を混同しているように思います。この島で1億2千万人が豊かな生活を享受するのはそんなにむつかしいことではなく、その意味で私は決して日本の将来に悲観していません。
 以下、関連記事を引用します。

【けいざい解読 アジアに埋もれる日本】
                 (12月26日 日本経済新聞 より)

 金融庁は成長戦略で目標のひとつに「アジアのメーンマーケット」を掲げた。東京はニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界の三大市場だったはずだが、その足元が揺らいでいる。
 将来有力通貨になるとみられる人民元。香港では元預金が急増している。10月末の残高は前月比45%増の2170億元(約2兆7千億円)で、1年前の3.8倍に。英HSBCは「中国が香港で元市場づくりを本格化している」と見る。

 香港は今年、世界の新規株式公開(IPO)の4分の1を手掛けた。米ゴールドマン・サックスのティモシー・モー・ストラテジストは香港について「外国為替取引の中心で、資本調達の場でもあるロンドン型の市場になる」と予測する。
 巨大経済を背景にニューヨーク型の市場になるとみられているのは上海だ。モー氏によると「中国の株式市場拡大は経済成長より早く、2020年代半ばには世界一になる。その株式時価総額は20年に日本の4倍、30年には8.6倍になる見通しだ。
 市場間競争は激しくなっている。現物取引では中国にかなわないため、先物取引に活路を見出そうとしているのは韓国だ。先物の中心、シカゴ市場のアジア版をめざしている。
 今年前半の金融派生商品(デリバティブ)取引では韓国取引所が契約数でシカゴ・マーカンタイル取引所グループを上回り世界一を維持。契約数は日本で最大のデリバティブ取引所である大阪証券取引所(15位)の19倍に達する。
 中国、インド、インドネシアの間に位置するシンガポール。シンガポール取引所はオーストラリア証券取引所の買収を打ち出し、広域性をを強めようとしている。英語が公用語で、法制度や透明性などでも欧米並みが売り物。欧米投資家のアジアへのゲートウェー(入り口)として存在感を高める考えだ。
 日本も活性化を検討している。金融庁は証券、金融、商品を扱う総合取引所の創設を打ち出した。しかし株式は上海、人民元は香港、先物はソウルなどアジアの中心市場が固まりつつあり、統合で取引をひき付けられるかどうかは不透明だ。東京証券取引所も来年度前半に、午前の取引時間を30分延長する。だた実務慣行を大きく変更できないとして、昼休みの完全廃止、午後の取引時間の延長などは見送った。

 アジアで競争相手がいなかった時代の考えや、その慣行を維持したままの活性化には限界がある。アジアのメーンマーケットとして残りたければ、アジアが動いているい間、例えばインドの取引が終わるまで市場を開けておくべきだろう。市場づくりの基本は業者の事情ではなく、利用者の利便性にある。10年後を見据えて巨大市場・中国の隣で誰のための、どういう市場をつくるのか一から考え直す時期に来ている。
 「静かな撤退が始まっている」。日銀の貸出・資金吸収動向によると、11月末の外国銀行の円貸出残高は3兆7000億円。残高を公表している1995年10月以降で最低を記録した。外資系金融機関幹部は経営の力点が日本から中国、インドに移りつつあると打ち明ける。静かな撤退の範囲は貸し出しから資本市場の業務へと広がる見通しで、市場復活に向けて残された時間は限られている。

【戦略 そこが知りたい 新興国開拓、中韓勢にどう対抗? 新日鉄社長宗岡正二氏】
                (12月26日 日本経済新聞 より)

 かつて生産量で不動の世界最大手だった新日本製鉄。2009年は中国や韓国メーカーに抜かれ6位に甘んじた。得意としてきた高級鋼材だけでなく、建材などの中・低級品にも力を入れ、成長する新興国市場の獲得に乗り出す。これからどう反撃するのか、宗岡正二社長に聞いた。
---中国や韓国の鉄鋼大手に規模で抜かれた。
 「規模がすべてではないが、装置産業だから量産効果を決める生産量も競争力の一つではある。円高や少子高齢化が進む日本では需要が伸びない。ほかの先進国も同じだ。一方、中国やインド、東南アジアを合わせると年6千万~7千万トンの勢いで需要が増える。新興国需要を獲得し、順位を上げたい。現在4千万トン前後の鋼材年産能力を5年後にも5千万~6千万トンにする」
  (中略)
---新興国の需要をどう取り込むのか。
 「ハイブリッド車に使う最高級の電磁鉄板などの高級鋼材は技術競争で勝つためには大切だが、量は少ない。これだけでは食っていけない。新興国でのインフラ整備に使う鋼材や建材など、中・低級品のボリュームゾーンもきちんと取っていく。」
  (後略)

<聞き手から一言 競争力向上へ業界再編浮上も>

 世界最高の品質を持つ鋼材を供給すれば顧客は付いてくる---。新日鉄にはこうした自負があった。今回、宗岡正二社長は「中・低級品市場も含め規模も追求する」と明言した。質へのこだわりは持ちつつも、それだけでは成長市場で繰り広げられるアジア勢との競争に勝ち抜けないとの認識がある。
 競争力を高める選択肢として業界再編も浮上しそう。「石橋をたたいて渡る」と繰り返したが、内需が停滞し、新興国需要が急増する劇的な市場への対応にはこれまでとは違う戦略も求められそうだ。

【新興企業投資 中国の陣】
                (12月22日 日本経済新聞 より)

<三井物産 3年間で100億円 三菱商事 ファンド創設へ>

 大手商社が中国で新興企業向け投資を本格化する。三井物産が今後3年間で100億円規模を投じるほか、三菱商事は中国企業向け投資ファンドを来年創設する方針。新規上場などを通じ、高い投資収益を狙う。新興企業が台頭する中国では今年の新規上場件数が過去最高となった。生産、販売などの事業進出だけでなく、世界の投資マネーも中国への集中が加速してきた。

【損益改善「海外需要で」7割 社長100人アンケート】
                (12月26日 日本経済新聞 より)

 日本経済新聞社がまとめた社長100人アンケートで、2011年度の損益見通しが「改善しそう」と答えた約半数の経営者にその要因を聞くと、8割近くが「海外需要の拡大」を挙げた。環太平洋経済連携協定(TPP)に「参加すべき」との意見も8割を超えた。業績改善に向け、新興国を中心とする海外市場開拓への期待と依存が高まっている。

 

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