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2010年11月26日 (金)

障がい者制度改革に抵抗する厚生労働省

【第18回職業リハビリテーション研究発表会】

 今年は11月30日に第18回職業リハビリテーション研究発表会が開催されます。私は「障害者権利条約の国内法化及び障がい者制度改革推進とこれに抵抗する厚生労働省」という表題で、午後から発表します。私が職業リハビリテーション研究発表会で最初に発表したのは2000年12月6日の第8回職業リハビリテーション研究発表会で「障害者の勤労権と労働の場における人権の確立」という題で発表しました。この時の主催者は日本障害者雇用推進協会でしたが、この協会は事業主団体を会員として事業主団体が設立した組織でした。この協会が障害者雇用の中枢の役割を担っており、1999年12月の論文で私は障害者の労働関係の中枢を事業主団体が統括するのは構造的に過ちがあることを指摘していました。協会の関係者の中で私の論文は意識されていたようで、場違いのところに殴り込みをかけたようで当時は私も緊張していました。今年で10年、11回目で私も慣れてきて以前ほど緊張感がなくなりました。協会が行ってきた役割は今では独立行政法人高齢・障害者雇用促進機構が行っており、形式的には権限が半官庁的な組織に移っています。しかし今でも私の発表は、この研究会の参加者からは過激に映るようで、平成20年12月5日(第16回)発表の「弁護士によるうつ病労働者の復職サポート事例からの考察」では精神科医の批判をしたため精神科医から抗議を含めた発言がありました。この時は座長から双方の鞘当ては、この研修会の場ではなく終わった後でどうぞ場外でやって下さいとたしなめられました。今回の私の発表論文は別添のとおりです。私の論文は厚生労働省の中の職業安定局高齢・障害者雇用対策部と労働政策審議会障害者雇用分科会を批判するものですが、11月30日の発表の際はおそらくこれについての私への反撃はまずないと思われます。多分私の言いっぱなしで終わりそうです。

      

■論文:「障害者権利条約の国内法化及び障がい者制度改革推進とこれに抵抗する厚生労働省」
      清水 建夫

【厚生労働省と労働政策審議会】

 厚生労働省は、厚生省と労働省が合体したものですが、それぞれにそれぞれの立場から弱者を保護する中央官庁と国民から思われてきました。労働省は正に労働者の立場に立つ中央官庁として思われ、志をいだいて労働官僚になった人も少なくないと思います。私が旧労働省が労働者の立場に立っていないことを強く感じとったのは小泉内閣の時です。労働の規制緩和をして、非正規雇用の合法化を拡大しようとした際、日弁連労働法制委員会の委員として旧労働省の責任者の話を聞いた時労働官僚の変質を思いました。旧労働省の責任者は、これから「多様な働き方を追求していく」と述べていました。「多様な働き方」は聞こえはいいのですが、そのねらいは派遣社員、有期契約、パートを増やし企業にとっての多様な働き方を労働者にさせることであり、労働者が自らの意志で多様な働き方を選択できるものではありませんでした。「多様な働き方」というペテンに等しい政策のもとでその後一挙に非正規雇用が拡大したのは周知の通りです。その正当性を中立・公正に装いながら、多様な働き方への表面的な正当性を与えたのが厚生労働大臣の諮問機関の労働政策審議会でした。

【障がい者制度改革の骨抜きを企図する厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部】

 厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部は、障害者権利条約の国内法化と障がい者制度改革の推進に真っ向から抵抗しようとしています。そのために労働政策審議会障害者雇用分科会を巧みに利用しようとしています。こんなことをして当の厚生労働官僚にとり何の充実感があるのだろうかと思います。官僚というのは本能的に保守的な存在なのかなと私も最近感じるようになりました。私はこれまでは日本の政治家は3流だけど、官僚は1流とまではいえないまでも1.5流なので何とかこの国はもっていると思ってきました。しかし1.5流というのは私の過大評価だったかなと最近思うに至っています。私の論文は長文で字が多く読みにくいと思いますが行間ににじむ私の思いを理解して頂ければ願ってもないことです。

【カルテのない薬害C型肝炎患者救済請求訴訟を11月29日提訴】

 薬害によるC型肝炎に長期にわたって闘病生活を強いられながら、カルテがないため血液製剤の投与の証明がないとして救済を放置されてきたC型肝炎の患者の方の訴訟を11月29日に提訴します。弁護団長は山口広氏で、銀座通り法実事務所が事務局の役割を担います。この関係のお問い合わせについては事務所員全員が対応可能です。近々弁護団のホームページもアップする予定です。

【おわび】

 またまたおわびです。3カ月のブログのお休みはどう考えても長すぎますね。この3カ月間は業務が重なった事は事実ですがそんなことは言い訳にはなりません。健康の方は今のところ大丈夫です。倒れてブログを書けなくなったわけではありませんのでその点はご安心ください。あらためてブログの更新に努めますので引き続きよろしくお願いします。

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コメント

お元気ならば安心です。頑張って下さい。
ペテンに騙されてばかりいる国民ではないと一人一人が見つめ、意見を言う場所や知る機会が増えていることをもっと活かすとよいのではないかと強く感じています

投稿: お世話になった者 | 2010年11月28日 (日) 11時11分

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