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2008年11月14日 (金)

上場企業減益とはいえ なお豊富な手元資金

【企業収益逆風に挑む 下】
                  (日本経済新聞 11月12日 より)

<なお豊富な手元資金>
 先週末までに4-9月期決算を発表した日本の上場企業(金融と新興市場を除く)では、9月末の手元資金が5年前より12%増えた。前期までの6期連続の増益局面で拡大した。
 需要減の逆風が吹き付けるのは競合会社も同じ。だとしたら、ここは比較優位にある財務力を生かして、競争力を一気に高める好機となる。

<買収や成長投資へ強み>
 M&Aで米欧大手に後れをとってしまった日本の化学業界が、いよいよ動き始めた。三菱レイヨンは16億ドル(約1600億円)を投じて、英同業大手を買収する。背中を押すのは世界的な株安と円高だ。三菱ケミカルホールディングスも総額2500億円のM&A枠を用意。「企業の時価総額も安くなり、お買い得」(同社首脳)とみて、案件を精査している。
 投資の矛先はM&Aだけではない。上場企業の経常利益は09年3月期に25%減る見込みで、全体の利益水準は05年3月期まで逆戻りする。しかし、目をこらしてみると、過去最高益の8割以上の利益を確保する企業は全体の3分の1を占める見通しだ。

 「苦しい時であるからこそ成長に向けて思い切った手を打つべきだ」。7日、パナソニック(旧松下電器産業)と三洋電機が開いた資本・業務提携会見で、パナソニックの大坪文雄社長は語気を強めた。主力のデジタル製品の収益環境が厳しい今こそ、成長が期待できる電池事業を強化する。
 7日に7-9月期の最終赤字が25億ドル(約2500億円)になったと発表した米ゼネラル・モーターズ(GM)。同時に開発投資の圧縮など追加のリストラ策を明らかにし、米クライスラーとの合併協議を事実上、白紙に戻した。自動車販売の不振による業績悪化と手元資金の急減で打つ手も限られており、日本企業とは対照的だ。

<「不況良し」の意気>
 需要の急減速を受けて産業界では減産や人員削減が始まったが、身を縮めているだけでは将来の成長は描けない。「好況良し、不況さらに良し」。パナソニック創業者の故松下幸之助氏の言葉だ。不況時には普段、見えなかった欠点が浮かび上がる。それを乗り越える努力をすれば、日本企業にも次の飛躍にも次の飛躍に向け視界が開けてくる。

【街角景気最悪に 10月判断指数調査開始以来 株安・円高が響く】
                 (日本経済新聞 11月12日 より)

<街角景気は・・・現状判断指数は2000年以来最低に>
 内閣府が11日発表した10月の景気ウォッチャー調査によると、景気の実感を示す「街角景気」の指数が2000年1月の調査開始以来、最悪の水準に落ち込んだ。家計では株価の大幅な下落で購買意欲が冷え、企業では円高に伴う業績悪化を懸念する声が目立った。国内景気は既に後退期に入ったもようだが、ここにきて景況感がさらに悪化してきた。
 景気の現状を示す10月の「現状判断指数」は2.26となり、前月に比べて5.4ポイント下がった。7ヵ月連続の低下。前月比の下落幅も過去最大だった。これまで最も低かったのはIT(情報技術)バブルの崩壊で景気が後退した01年10月の27.2。10月はこれを大きく下回った。

<消費も雇用も暗さ目立つ>
 調査は景気に敏感な小売店主やタクシー運転手ら約2000人が対象で調査日は10月25日から31日。

〔家計〕
 ・高額品が不振、大型液晶テレビが極端に落ち込み(北関東の家電量販店)
 ・食品だけ購入して、すぐ帰る客が多い(南関東の百貨店)
 ・歳暮品、クリスマス商品、おせち料理の予約が前年の半分(北陸のコンビニ)

〔企業〕
 ・自動車産業の不振で、ここ数ヵ月は見積もりすらない(九州の一般機械器具製造業)
 ・年内は出荷があるが、1月はゼロになるかと恐れている(北関東の化学工業)
 ・鉄鋼関連受注は減らず、急激に業況が悪くなる感じはない(近畿の一般機械器具製造業)

〔雇用〕
 ・秋のイベントシーズンだが、単発の依頼が少ない(九州の人材派遣会社)
 ・自動車の減産で、賃金・雇用調整を検討する企業が増えていく(東海の公共職業安定所)

【私の意見】Up63

 内閣府が景気の実感を示す「街角景気」の指数が「2000年1月の調査以来、最悪の水準に落ち込んだ」と発表しているように、「大不況」「1929年以来の世界大恐慌到来」「企業は減収減益」という記事がマスコミを飛びかっています。しかし減収減益というのは前期と比べると減少したということだけであって、日本の上場企業のほとんどは、今期も高収益を挙げ、かつ手元資金を一層豊富に蓄積しています。
 商店主やタクシー運転手らからの聞き取り調査位では景気の表面的なことしか反映されないにもかかわらず、つくられた「大不況」を利用し、企業は人員削減の正当事由としています。その場合にまず最初に削減されているのは派遣労働者や有期契約の労働者です。非正規雇用という企業にとっての安全弁は、非正規労働者にとっては唯一の収入源の断絶弁です。次々と飛び込んでくる労働相談を受けながら、非正規雇用という制度をつくり拡大した日本政府や経済界の罪深さをひしひしと感じている今日この頃です。

 

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