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2008年4月27日 (日)

黒柳徹子さん トットちゃんの教育論

【トットちゃんの教育論 黒柳徹子さんに聞く】
                   (4月24日 日本経済新聞 より)

くろやなぎ・てつこ 1933年東京生まれ。トモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽家を卒業。NHKの「ヤン坊ニン坊トン坊」などで人気者に。女優、司会者として活躍するかたわら、ユニセフ(国連児童基金)親善大使、社会福祉法人「トット基金」理事長として子ども支援にかかわっている。

<どの子も個性と才能を持って生まれてくる。それが周りにつぶされてしまう前に見つけて伸ばすのが教育だ、と教わりました>

 マリー・アントワネットの髪型を模したいつものタマネギ頭にベレー帽で、自宅近くの喫茶店に現れた黒柳徹子さん。小学校の時の思い出に触れながら、教育の重要性を説いた。
 「トモエ学園では心と体のバランスを重視し、ダルクローズという人が考えたリトミックというリズム教育を取り入れていました。作詞家のなかにし礼さんに、『あなたのおしゃべりの刻みはモーツァルトのリズムと同じ』と不思議がられるのもリトミック教育の影響。今テレビの仕事を続けていられるのもあの教育のおかげかしら」
 
 24年前、タンザニアへ行った時のことが忘れられない。ニエレレ大統領は元校長先生。教育に力を入れていた。「おかげで、タンザニアの識字率は今も他国に比べ高い。宗主国は植民地に教育の機会を与えませんでしたが、機会さえあれば、皆何とかして勉強します。木の下の“木下学校”で板きれに白墨で書いて授業をする先生、地面に枝で書く先生もいました。教育の重要性は途上国自身が一番わかっています」

<もがき苦しむ子どもたちの姿に、知らない方がましと思ったこともある。しかし、人間として知るべきことです>

 次から次へと、悲惨な話が出てくる。「こういう現実を知らないというのでは、子どもたちに申し訳ないですよ。戦争や自然災害で被害を一番受けるのは彼らなんですから」と嘆く。「リベリアやシエラレオネ、コートジボワールでは少年兵に出会った。誘拐され、少年兵に仕立てられた。大人の指示で戦い、相手を殺しただけなのに、『人殺し』と非難されていました」
 ユニセフは、開催中の「万人のための教育」ファスト・トラック・イニシアティブ実務者会合やアフリカ開発会議(TICAD)、洞爺湖サミットを通して、基礎教育の重要性を訴えていく方針だが、黒柳さんの考えも同じだ。
 こんなこともあった。「9.11」前にアフガニスタンへ行った。ヘラートという都市は難民であふれていた。黒柳さんはタリバンに、「難民キャンプの女の子たちに勉強させてあげて。キャンプから村に帰った時、読み書きができれば皆に教えてあげられるから。アフガニスタンのためにもなる」と直談判した。首都カブールと違い、規制もゆるいのか、「いいだろう」と許可してくれた。女の子が一生懸命勉強する姿が印象的だった。

 それにしても、ユニセフ親善大使をこんなにも長く続けられるエネルギーはどこから?ひとつは、戦争を経験していること。もうひとつは、トモエ学園の小林宗作校長の教えからだ。「いろんな障害のある子もいるなかで、いつも『みんないっしょにやるんだよ。みんないっしょだよ』と指導されていました。苦境にある子どもを見ると、いつもこの言葉が私の心に浮かび、大使の仕事を続けさせてくれるのです」

<アフリカは遠い。そう感じるかもしれません。でも、どこにいても人間同士。痛み、苦しみ、喜び、愛する心、それは同じなんです>

 黒柳さんは、子どもがイジメなどで自ら命を絶つ痛ましい事件が後を絶たない日本が心配でならない。「アフリカでは、反政府組織に家を焼かれて父親は殺され、母親はレイプされ、自分も手足を切り取られる。そんな子がいっぱいいる。そういう子でもけなげに生きようとしている。自殺したケースは一度も耳にしていません」
 「子どもは本来、前向きに生きる力を持っている。日本でも、子どもが生き生きするような教育をしてほしいですね。幼稚園から勉強、勉強では、他人を傷つけるか、自分を傷つけるかです。子どもの魂を自由にしてあげたい」
 話しながら、黒柳さんの目には何度も涙が光った。最後に、初めてアフリカの土を踏んだ時、スワヒリ語で子どものことを「トット」というのだと知った時の驚きを語ってくれた。「こんな偶然って本当にあるの。私の小さいころの呼び名が、アフリカでは、子どもという意味だなんて。子どものために働けと神様がおっしゃっているんだな、と思いました。つらくても、子どものために働けるというのはありがたいことです。子どもたちの苦しみを世界に知らせる。それが私の使命だと肝に銘じています」

【小学校1千校をアフリカに建設 高村外相表明】
                     (4月24日 朝日新聞 より)

 高村外相は23日、今後5年間でアフリカに約1千の小学校を建設し、約40万人に学びの場を提供することを柱とする途上国向けの教育支援策を明らかにした。援助規模は約300億円になる見通し。東京都内であった国際教育協力に関するシンポジウムで語った。
 高村氏は「国の自立を勝ち取り、成長を成し遂げるには多様な人材が不可欠」と教育の重要性を強調した。5月に横浜であるアフリカ開発会議(TICAD)や7月の北海道洞爺湖サミットに向けてアピールする狙いもある。
 既存の学校に対しても、給食の実施や井戸、男女別トイレの設置などを進め、HIV・エイズ予防啓発や防災教育などができる地域社会の拠点となる学校づくりを支援。また、今後5年間でアフリカの10万人を含む全世界で30万人の理数科教員に研修を実施する。
 ユネスコによると、アフリカやアジアではいまだに約7200万人が小学校に通えていないという。

【日本の子どもたちに関連する新聞記事】

<4月11日 日本経済新聞 生徒にセクハラ >
 教師を懲戒免職 横浜市教委

<4月14日 朝日新聞 中3女子、警官を足げり・つば吐き >
 自転車の2人乗り注意されて大暴れ 3人を公務執行妨害容疑逮捕 春日部

<4月16日 朝日新聞 学校裏サイト3万8000件>
 文科相調査 目立つ誹謗・中傷(「キモイ」「ウザイ」「チビ」など)

<4月23日 朝日新聞 「プロフに悪口」と殴打>
 中3重体 殺人未遂容疑 17歳少年逮捕

 自己紹介サイト 中高生に急拡大 いじめや援助交際 トラブル懸念

<4月24日 日本経済新聞 硫化水素 相次ぐ二次被害>
 自殺巻き添え死、住民避難 洗剤で発生 対策難しく
 硫化水素を使った自殺の二次被害が相次いでいる。23日夜にも高知県で女子中学生が自宅で自殺を図り、周辺住民ら120人が避難する騒ぎとなった。いずれのケースも身近な洗剤や入浴剤を使って硫化水素を発生させており、消防や洗剤メーカーは対策に頭を悩ませている。

<4月27日 朝日新聞 横浜 また硫化水素自殺>
 マンションで高3男子 住民ら50人避難

【私の意見】Up63

<教師ホットライン弁護団(仮称)その後の設立準備状況について>
 弁護士のネットワークづくりは少しずつ着実に進んでいます。弁護士のネットワークの構築と平行して教師グループとのネットワークも広げていきたいと思います。
 4月21日の日経新聞に
   未履修問題 校長自殺は公務災害
   茨城の高校 審査会が一転認定
という記事が掲載されていました。公務災害と認定されても亡くなった人は永遠にもどってきません。教師や校長を死に追い込む教育職現場の改善が急務です。私たち弁護士が、じりじりと気持ちが落ち込んでいく教師の方の心の相談相手の一員に加わることができればという思いでいます。

<日本の子どもたちの現状>
 黒柳さんは、子どもがイジメなどで自ら命を絶つ痛ましい事件が後を絶たない日本が心配でたまらないと涙を流しながら話されていましたが、最近の新聞記事を拾っただけでも、日本の子どもたちの現状が深刻な状況にあることがわかります。私たち大人は子どもたちに死を選択させる根源はこの社会のどこにあるのか真剣に考える必要があります。この社会は病んでおり、しかも重病です。

<日本政府久々のヒット>
 小泉内閣以来、日本政府は政府開発援助を減らし続け、世界第1位から第5位に転落しました。高村外相の小学校1000校をアフリカに建設するという表明は、日本政府の久々のほのぼのとした話です。トットちゃんだけではなく日本国をあげてアフリカや南アジアの子どもたちを応援していきたいものです。

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2008年4月21日 (月)

教師と弁護士のホットラインを開設

【教師と弁護士のホットライン】

 教師をサポートするホットラインを開設しました。教師の方はどなたでも気軽にご利用下さい。教師による児童・生徒に対する人権侵害もありますが、毎日恒常的に行われているのはむしろ国や地方公共団体や教育委員会による労働法規無視の人権侵害です。このホットラインはこれまで縁の遠かった教師と弁護士をつなぐためのもので、つなぐことによって日本の子どもたちによりよい教育が行われることを願うものです。児童・生徒の人権をぬきにして教師のサポートはありえません。とにかくほとんどの教師がへとへとになり、心もボロボロになっています。私たちは教師に元気をとりもどしてもらって、子どもたちにのびのびとした教育をしてほしいと心から願っています。

【教師は1日13時間労働が当たり前の世界】

<かつての教師の勤務時間>

 かつては多くの教師は午後4時から5時の間に学校を出ていました。夏休みも冬休みも生徒ほどではありませんが、民間企業や他の公務員と比べて学校に出る日数が少なくこの点が他の職業の人からうらやましがられていました。ところが今は平均的教師が学校を出るのは午後8時~午後9時が常態化しています。朝は生徒が登校する前に教師は登校するので午前7時30分頃には学校に入っています。ですから教師の在校時間は1日13時間位になります。夏休みは夏休として5日間、冬休みは12月29日から1月3日まで休みだけです。夏休みは企業でもお盆休みがありますから、教師だけが優遇されているわけではありません。冬休みはどこの企業でも休んでいる最低の日数です。

<残業手当なし>

 1日8時を超えたからといって残業手当はまったく支給されていません。わずかな手当でお茶をにごしている状況で、これは実質上労働基準法に違反する疑いがあります。午後9時まで学校に居るのに午後5時半頃に退出したように書類を作成している学校もあります。

【子どもたちと向きあう時間がない!】

 教師から異口同音に出るのが、それだけ長時間学校にいても、一人一人の生徒のことを考えたり、生徒と向きあう時間が少ないという言葉です。教育委員会から求められる書類の作成に追われ、会議も多く休憩時間も休めず、教師それぞれが自分のことで手一杯で、他の教師のことを思いやるゆとりももつことができません。かなりの教師が疲れはてて定年を待たず退職しています。どこの国でも生徒が登校しない日は教師も登校せず、教材研究や自己研鑽につとめています。かつての日本の教師が特段楽をしていたわけではありません。

【足のひっぱりあいをやめよう】

<教育と市場競争原理>

 小泉・安倍の強権的政権は教育の世界に市場競争原理をもちこみ、こどもたちも教師もボロボロにしてしまいました。日本国憲法が保障する三原則①民主主義も②基本的人権の尊重も③平和主義も日本人が自ら勝ち取ったものでないために、日本国民はその値打ちが心底からわかっていません。そのため国民の政治的、社会的成熟度は残念ながらきわめて低水準にあります。
 小泉純一郎が「改革!」「抵抗勢力!」と叫べば小泉に反対する政治家はすべて抵抗勢力と思い込む浅薄さが日本国民の中にあります。

<安倍内閣による誤った教育改革>

 安倍内閣が推進した教育改革は右翼的思想教育と競争原理を前面に出しわが国の教育を全く誤った路線上を迷走させました。今の日本の教育で大切なことは成績が中位、下位の子どもたちが学ぶことに喜びをもつにはどうしたらよいかということです。世界一すぐれた教育を実践しているフィンランドなどから学ぼうとせず、愚かな為政者たちは戦前型のエリート養成教育を信奉しています。

<世界に誇れる教育を築こう>

 何かが起きるといつも教師が批判の矢面に立たされています。しかし、今の日本の教育の問題や青少年の問題は教師の責任で片付けれられることではありません。私たちは愚かな為政者たちに煽られての足の引っぱりあいをもうやめましょう。教師の置かれている状況を理解し、教師とともに世界に誇れる教育を築きましょう。

【教師と弁護士のホットライン開設 -教師ホットライン弁護団準備会-】

 「教師と弁護士のホットライン」(相談フォーム)http://www.bengodan.net/kyoshihot/の設置をしました。

 <いつでも何でも気軽にアクセス>
 このホットラインは、教師の方がいつでも何でも気軽に弁護士にアクセス出来ることを目的として開設しました。多くの教師の方にとり弁護士は縁の薄い、あるいは縁の遠い存在だと思います。気軽に弁護士に意見を聞くということはほとんどなく、身近に知り合いの弁護士がいない教師の方も多いと思います。最近は教師も損害賠償責任保険に入っていて、いざという時には弁護士を依頼するシステムができていると聞いていますが、そのような非常時は別として、日常のちょっとしたことで弁護士の意見を求めることは日本の社会では根づいていないと思います。これは教師にかぎったことではなく、ほとんどの日本人に共通することで、この点については私たち弁護士の側にも責任があります。

<今の教師をとりまく過酷な労働環境>
 今多くの教師が置かれている状況はきわめて過酷な状況にあると思います。勤務時間一つをとっても、朝7時半には学校に行って、生徒の登校を待ち、会議やさまざまな雑務に追われ、学校を出るのは早くて夜8時すぎというのが日常茶飯事化しています。12時間以上学校に居ながら生徒とゆっくり向きあうゆとりがなく、多くの教師は決められた校務をこなすのに精一杯で休み時間も自由になりません。以前の多くの教師は午後4時頃には学校を出て一人ひとりの生徒のことを考えるゆとりが教師の側にありました。マクドナルドなどの名ばかり管理職のことが問題とされましたが、教師全体が名ばかり管理職で、現在の勤務実態は問題が山積みしています。

<孤立する教師たち>
 そうではあっても教師の側から現状改善の声が挙がりません。挙げることができないのです。教育委員会、PTA、保護者、生徒の板ばさみの中で孤立しているのが教師の実像のように思います。モンスターペアレントwikipedia)という言葉が定着するほど保護者の力が強くなっています。板ばさみの中でうつ病に陥り、教壇に復帰することができない教師も少なくありません。教育現場では生徒の自殺や教師の自殺という悲惨な現実が日々発生しています。どちらの場合にも責任追及の矢面に立たされるのは担任教師であったり、校長です。

<私たち弁護士チームの自己紹介>
 私たちも当然のこととして親族、友人、知人、後輩に多くの教師の知り合いをもっています。そのような中で私たちは“今の先生は気の毒だな”“今の先生はとても疲れている”という認識を共有しています。“心身ともに疲れきっている学校の先生の相談相手になろう”という単純な思いからこの弁護士チームをつくりました。それとともに教師の方と力をあわせて子どもたちがのびのびと学べ、教師がのびのびと教育できる健全な教育現場をとりもどしたいという願いもあります。このチームは“働くうつの人のための弁護団”“働く障害者の弁護団” などにもかかわっています。一緒に取り組んでくれる弁護士は全国にいます。結成まもなくで弁護士体制はまだ十分ではありませんが、できるだけ迅速な対応に心がけます。

<ホットラインを利用できる方と利用できる内容>
 教師であれば誰でもこのホットラインをご利用できます。校長、副校長、教頭など管理職の方もどうぞご利用下さい。
 利用できる内容はどんなことでもかまいません。ご自分が生徒の人権侵害をしたと思って悩んでいる方もご利用ください。教育問題にかぎらず、家族のことなどでもかまいません。また相談でなくても意見を聞きたい、意見を言いたいという場合でもご利用下さい。法的なこととはかぎりません。
 一見法律とは無縁なことでも、日本も法治国家ですからあらゆることは法律に結びついています。弁護士の意見を聞いて心の整理ができたということをよく聞きます。

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2008年4月14日 (月)

孤立する教師のための弁護士相談窓口開設

【孤立する教師】

 有志の弁護士とともに“孤立する教師のための弁護士相談窓口”(仮称)を開設するべく準備をしています。“えっ!教師の質の低下が問題にされているのになぜ教師を弁護するのか”“弁護士が守るのは教師ではなく子どもの人権ではないか!”というご意見や批判をもたれる方もあるだろうと思います。そのことを承知の上で私たちは今あえて“教師のための弁護士相談窓口”の開設準備をしています。
 私のまわりの教師を見ていると“今の先生は気の毒だな”“今の先生は疲れきっている”というのが私の正直な感想です。教育委員会、PTA、保護者、生徒の板ばさみの中で孤立感を増しているのが教師の実像のように思います。モンスターペアレント(wikipedia)という言葉が定着するほど保護者の力が強くなっています。うつ病に陥り、教壇に復帰することができない教師も少なくありません。教育現場では生徒の自殺や教師の自殺という悲惨な現実が日々発生しています。どちらの場合にも責任を問われるのは担任教師であったり校長であったりです。

【教師のためのシェルター、教師の隠れ家、教師の駆け込み寺をめざして】

 私たちは教師のためのシェルターの役割をになうことを願っています。教師の心の隠れ家であり、教師の心の駆け込み寺ということです。とは言っても私たちは児童・生徒との対立軸として教師をかくまうつもりはありません。児童・生徒あるいは保護者との間で何らかのトラブルが発生している場合に、そのトラブルの解決なしに教師としての心の安静をとりもどすことはできません。一方的に教師をかくまっても根本的解決にはなりません。そのことも承知の上で、とにかく孤立している“学校の先生の相談相手”になろうというのが弁護団結成の趣旨です。相談は一般教員だけでなく管理職(校長、副校長、教頭など)の方からも広く受ける予定です。
 弁護士に何ができるのだろうかという疑問は私たち自身の中にもありますが、逆に弁護士だからできる部分でもあるように思います。教員組合は保護者との関係では表立って教師をサポートしにくい面があると思います。弁護士という立場で中立・公正にモノが言いやすいところがあります。

【国家管理型教育行政の徹底の中で】

 安倍内閣の下で、教育基本法が2006年12月に、学校教育法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、教育職員免許法及び教育公務員特例法が2007年6月に改正されました。この改正にもとづき本年4月1日から国や地方公共団体による教育の管理が徹底されることになりました。改正前の教育基本法は「学校の教員は全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない」「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」とし、教育そのものも教員も、全体の奉仕者であり、国民全体に直接責任を負うとされていました。ところが改正後の教育基本法は政府が教育振興基本計画を定め、地方公共団体はこれを参酌して地方公共団体における基本計画を定め、これに則って教育行政を行うとしています。これは国家管理教育の推進です。教員免許も2009年4月から10年に1度更新が必要とされることになり、国の方針にそわない教師がふるい落とされる装置ができあがりました。教育現場は益々息苦しくなり、教師の悲鳴が聞こえてきます。今こそ、教師の立場に立ちモノを言うことが必要です。私たちは現場から声をあげる教師を全面的にサポートしたいと思います。

【賛同者を募ります】

 今は弁護士有志による準備段階です。この趣旨に賛同する弁護士、教師、元教師、保護者、学者、医療関係者、その他日本の教育に関心のある方は是非ご意見をお寄せください。ご意見の送り先は次のアドレスにお願い致します。
 mail shimizu@ginzadori-law.jp

【具体的な相談】

 まだ弁護士の体制はできあがっていませんので、すみやかな対応はできませんが、どのような相談があるかはサポート体制をつくる上で重要な指針となります。今すでに相談したいことがあれば上記アドレスに具体的に相談内容を記述してお送り下さい。ご自分の側に非があって、どうしてよいか途方に暮れているような内容でもかまいません。現段階のメールによる相談は無料とさせていただきます。なお、当然のこととして相談内容の秘密は守らせていただきます。

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2008年4月 7日 (月)

女性初の資生堂副社長 岩田喜美枝さん

【-ひと- 女性初の資生堂副社長に就く 
                     岩田喜美枝さん(60)】

                      (3月30日 朝日新聞 より)

 4月から代表権を持つ副社長に昇格、経営全般に目を配る。企業風土改革も担当のひとつ。「もっとのびのび働きやすい会社に改革する。そういう仕事です」
 資生堂の国内グループ社員は約1万3000人いる。その7割が女性だ。管理職に占める比率は4月で17.5%と、国内民間企業の平均約10%を上回る。その中からただひとり経営会議に出席する。
 03年に雇用均等・児童家庭局長で厚生労働省を退職する際、役所が紹介した公益部門の仕事を断った。学生時代、女性の民間企業への就職は狭き門だった。自らも携わった男女雇用機会均等法の制定から20年近く。「今だったら私を採用してくれる会社があるんじゃないかと考えまして」。子育てや介護のための休業制度をいち早く始めた資生堂に以前から注目していた。「私の経験を使ってもらえないでしょうか」。仕事を通じて知っていた当時の池田守男社長に頼み込んだ。
 04年から取締役。仕事と育児の両立を後押しする人事制度に力を入れた。翌年には、小学校入学前の子どもが病気やけがをした場合、年間5日まで休める看護休業制度を導入した。
 副社長として人材登用も重要な仕事。そもそも、評価や活用をきちんとしていれば、管理職がどちらかの性に偏ることはないと考える。「女性の管理職が増えている会社は、男性の力も決して無駄にはしない」が持論だ。

【私の意見】Up63

<岩田さんに大賛成>
 岩田さんの「評価や活用をきちんとしていれば、管理職がどちらかの性に偏ることはない」との考えにも、「女性の管理職が増えている会社は、男性の力も決して無駄にはしない」の持論にも私は大賛成です。

<男一色の世界>
 6月下旬には上場企業の定時株主総会ラッシュとなりますが、私が顧問弁護士の立場でこれらに出席していつも感じてきたのは、まさに男一色の世界だということです。取締役・監査役は勿論のこと役員の意を受けて議事を準備するのも男性。かつては暴力団系の特殊株主が不規則発言をして議長の議事進行を妨害したため、ほとんどの上場会社は男性の社員株主を動員して会社主導の株主総会運営を行ってきました。「議事進行!」「異議なし!」「賛成!」の大合唱のもとに特殊株主に有無を言わすことなく会社提案が採決されていました。実はその頃は私も顧問弁護士として男性社員に声が小さすぎると言って叱咤しながら強引な株主総会運営を指導していました。今は特殊株主もなりをひそめています。会社も“開かれた総会”をめざすようになり女性株主の発言も珍しくありません。しかし今でも会社の取締役席・監査役席に座っているのはほとんどが男性で、株主総会の運営を担当する幹部社員も男性の場合がほとんどです。

<女性と若い人が活発にものを言う会社は明るい>
 私が顧問をしているある中小企業は先代が一から築きあげた会社で、中小企業苦難の時代にもかかわらず好業績を挙げています。先代が亡くなって息子さんが社長になって会社の雰囲気ががらっと変わりました。創立記念日だと言うのに、社長の挨拶もほとんどなく、来賓の挨拶は全くなしで、若い男女の社員が中心になりにぎやかにパーティー風に記念の日がとり行われ、社長も私も”私食べる人”に徹しました。会社の雰囲気がとてもなごやかで明るく若さを感じ、こういう会社はのびると思いました。人も企業も「個性」と「感性」が求められる時代、しかも労働力人口が減っていく日本の社会において、女性が活躍しやすい企業こそ社会に歓迎され、業績ものびると私は信じています。私は株主総会に行く都度、社長に“女性をもっと活用しないといずれは人材が頭打ちになります”と言うようにしています。

<女性のゼネストで男性優位国家をぶちこわせ!>
 そうは言っても残念なことにわが国は世界でもきわだった男性優位国家で、男女共同参画の水準は世界の中できわめて低いところにあります。このことは1月5日付ブログ「坂東眞理子『女性の品格』と男女共同参画」で掲載しましたのでご覧下さい。労働者として最も重要な賃金をとっても男子の一般労働者と女子の一般労働者を対比すると2006年の統計で女性は男性の65.9%にすぎません(所定内給与)。これは一般労働者の比較ですが、女性のパート労働者の賃金は長年にわたって超低賃金のまま据え置かれ、昇給はほとんどありません。そのため夫と別れた後の子供を育てている女性の生活はとても深刻です。私は時折“万国の女性立ち上がれ”と心の中で叫んでいます。仮に日本の女性が24時間ゼネストを7日間実行すれば、日本の企業も男性もたちまちのうちに悲鳴をあげることは確実です。それぐらいの荒療治をしないと強固に築かれた男性優位の社会構造は変わらないように思います。女手一つで子供をゆったりと育てられる社会は男性にとってもゆったりと生きることのできる社会なのです。

<岩田喜美枝さんに喝采>
 仕事と育児の両立を後押しする人事制度に力を入れたり、看護休業制度を導入したり、岩田さんの地味な努力の積み重ねに喝采を送ります。岩田さんの奥底から本物の品格が伝わってきて、この短い記事に私はとても感動しました。
 

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2008年4月 1日 (火)

AERA 派遣うつをうつの弁護団が支援

  AERAの4月7日号(3月31日発売)に「『派遣うつ』原因は正社員」という記事が掲載されています。その中で「働くうつの人のための弁護団」の立場から私がコメントした記事が掲載されていますのでご紹介させていただきます。

-以下AERA記事(文・編集部浜田奈美)より-

【「派遣うつ」原因は正社員】

<今や非正規雇用者は1730万人以上。数では正社員の半数に及ぶが、職場での立場は弱く、うつになる人も多い。「心の安全網」も不十分だ。>

 「大変ですねえ。思い切って社員さんに、一度キレてみたらいいじゃないですか」
 自分より2歳年上の派遣元の担当者の言葉に、派遣社員のタカコさん(仮名、28)は耳を疑った。派遣先での仕事量の多さや正社員との人間関係の難しさに、精神的に不安定になり、相談を持ちかけた矢先のことだ。タカコさんはそれ以上相談する気になれず、やりきれない思いで帰途についた。
 「キレて解決できるものなら、とっくにそうしてますよ。それができないのが派遣のつらさなのに。何もわかってないんだと知って、ショックでした」

【オレ忙しいから頼むよ】

 タカコさんが、いま勤務する都内の広告会社に「事務補助」として派遣されたのは2年前だった。営業系の超多忙な職場で、タカコさんは、忙しい正社員たちに代わって電話応対や資料整理、経費書類の作成などを任されている。多忙な部署だけに殺気立つ瞬間も多いのだが、そんな時はタカコさんにも緊張が走る。正社員にかかってきた電話を本人に転送しようと試みて、正社員がいらだち紛れに、「何よ、今すごく忙しいのよ」と、電話口でタカコさんにいわれのない不満をぶちまけることが多々あるからだ。
 「オレ忙しいから頼むよ」と、本来なら自分でやるべき雑用を言いつけにくる社員も、タカコさんが職場に慣れるにつれ増えた。景気づけに職場で宴会がある時は、生ゴミやお酒の片づけを当然のように、「タカちゃん、よろしくね」と任せて二次会に消える社員をよそに、生ゴミと格闘して残業するパターンも度々あった。
 週5日、残業を含めて月収20万円弱。正社員たちはそのダブル、いやトリプルスコアの給料を手にしていると思うと、「いったい、どこまでが自分の給料分の仕事なんだろう」などと考えてしまう自分自身に、さらに落ち込む。
 1年半がすぎた頃、職場で突然、脈絡もなく泣き出してしまった。心療内科を訪ねてみようかと迷ったけれど、職を失いたくない一心でギリギリまで踏ん張ろうと、まずは派遣元の担当者に相談したのだった。
 タカコさんは半ばあきらめたようにこう語る。「『実はうつです』なんて派遣社員が言ったら、『元気なやつよこせ』って言われてクビですよ。だからせめて部署替えを相談できたらと思ったんですが」

【人脈なく相談できず】

 職場のうつの深刻化が指摘されて久しい。最近の調査では、厚生労働省の労働安全衛生基本調査(2006年9月発表)で、従業員10人以上の約8500民間事業所のうちメンタルヘルスを理由に休業した従業員がいる事業所は3.3%。従業員1000人以上の事業所に限れば、8割以上に至った。仕事上のストレスによる精神障害で労災認定を受けた人も、06年度は前年度の1.6倍、過去最多の205人だった。

 人材マネジメント会社「アトラクス ヒューマネージ」では昨年、全国の企業約100社の従業員1400人を対象に独自のストレス検査を実施した。その結果、「正社員」と「非正社員」とでは「非正社員」の方がストレスの対処がうまくいっておらず、身体の不調や憂鬱感をより強く感じていることがわかったという。
 同社の斉藤亮三代表取締役社長はこう分析する。「非正社員は正社員に比べて人的サポート、特に上司からのサポートが得られていない、と数値に表れています。人的サポートの代表的手段が『相談』。相談によってストレス軽減が期待されますが、一般的に非正社員は正社員ほど社内の人脈が豊富ではなく、相談しづらい立場なことが、ストレス状態を悪くしていると考えられます」

【過労で嗅覚まひの後・・・】

 しかし、不幸にして何一つ“心のセーフティーネット”にアクセスできず、最悪の結末を迎えたケースもやはりある。上段勇士さんが23歳で自らの命を絶ったのは1999年3月のことだった。

 98年の年末、上段さんは家族と過ごすため東京の実家に帰宅。やつれ、憔悴した上段さんを自宅に残して母親ののり子さんが外出し、戻ると、家は「カビキラー」の刺激臭が充満し、上段さんはその中で風呂掃除をしていた。嗅覚が鈍っていたのだ。
 目隠しをして様々な調味料の味見をさせても識別できない。ほぼ完全に嗅覚も味覚もまひした、深刻なうつ状態。その3ヵ月後、上段さんは遺書らしき文言を部屋に残して命を絶った。

 のり子さんはこう振り返る。「よく『つらければ言えばよかったのに』と言われますが、非正社員はそうできないことを前提に雇用されています。『いつでも解雇するぞ』という姿勢を感じて生活するから、必死に働きます。それなのに、勇士が過労ラインを超えていることを把握できる上司が、職場に一人もいなかった。正社員である上司が、派遣や請負社員たちの仕事内容をよく知らないのです。正社員が命令だけを下し、非正社員が手足となって働く。そんな理不尽な現場に、何も知らずに社会人の第一歩を踏み出した勇士が不憫でなりません」

【法的手段も活用を】

 もしも自殺に至らなかったとしても、「治療」だけでは決してすまされないケースである。こういう場合、法的アプローチで安易な首切りを阻止したり、労災申請で「実例」を重ねたりすることが大切だ。
 05年、「働くうつの人のための弁護団」を結成した清水建夫弁護士は、非正規雇用者がうつなどを発症した場合でも、労働時間の超過や複雑な人間関係などの「業務起因性」を立証することで、地位保全や解雇権乱用阻止も十分可能と強調する。「派遣先がよく変わる派遣社員でも、派遣元に対して安全配慮義務責任を問うことができますし、日雇い派遣でも、現場に行ったら仕事がなかったという繰り返しでうつになった人などは、裁判で勝てる可能性がある。非正規の人も『うつは自分の責任』と泣き寝入りするのではなく、我々のような窓口を活用する勇気を持ってください」

【私の意見】Up63_2

 正社員も非正規社員も同じ人間。年齢も仕事の内容もほとんど変わりません。それなのに企業が労働条件を差別し、同じ人間同士が足のひっぱりあいをし一方が他方を見下す構造となっています。この記事をみてこのような構造をつくった政治家、財界人、えせ「学者」たちにあらためて言いようのない憤りを感じました。足のひっぱりあいをしなくとも私たちは全員豊かに楽しく生きていける環境にあります。働くうつの人のための弁護団に非正規雇用の方からも時折メールで相談がありますが、職場内での身分がもともと安定していないため“弁護士さんのところまで行ってもどうせクビを切られる”とあきらめる方が多いことは確かです。でもこの歪んだ構造をつき崩すためには最も痛めつけられている人から声を挙げていく必要があります。弁護団は精一杯応援しますので、あきらめずに声を挙げてほしいと思います。

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