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2008年1月 1日 (火)

A Happy New Year,2008

【アフリカの子どもたち】

 2007年1月1日のブログで「アフリカの子どもたちが今この瞬間にも飢えと病気でとても短い生涯を終えています。」と記述しました。2007年9月29日アシックスの創業者である鬼塚喜八郎氏が逝去され、鬼塚氏のご家族は「青少年の育成」に一生をささげた鬼塚氏の志を何かかたちにできないものかと考えるなかで、世界には今なお幼くして命の危機にさらされ、短い生涯を終えていく子どもたちの存在に気づきました。ご家族は、鬼塚氏と縁の深かったマラソンランナーアベベ・ビキラ選手の母国であるエチオピアの子どもたちを支援するために、ユニセフへ100万ドル(約1億1000万円相当)を寄付することを決めました(2007年11月24日ブログ記事)。私はこの寄付について、ご家族と一緒に考える機会に恵まれ、私にとってははるか遠い存在だったアフリカの子どもたちをとても身近に感じるようになりました。

【最大の敵は日本人の心の中】

 2007年1月1日のブログで、「私たち国民があきらめて拱手傍観することはとても危険なことです。」「私は、この国を人にやさしい社会に変える上で最大の敵はわが同胞、つまり日本国民そのものだと思っています。」「私があきらめが危険と言いましたが、日本人は政治はダーティーであり、政治から距離を置くことを潔いことと思う傾向があります。障害者自立支援法にしろ、教育基本法の改悪にしろ多くの国民が他人事です。私は“あゝそうなの”という日本国民の無関心な心が最も危険だと思います。」と記述しました。この点については私は1年前以上に日本人の心というか考え方というかに危機感を深めています。1年前は「日本人は政治から距離を置くことを潔いことと思う傾向があります。」「日本国民の無関心な心」という風に「潔い」「無関心」という程度にしか見ていませんでしたが、この1年で、私は日本人は私が思う以上に現実主義者であり、保守主義者であり、明確な自分の考えで今の政治や社会を肯定していると思うに至りました。

【自由・平等・博愛】

 日本は世界で最も富める国であり、世界に冠たる資本家国家であり、日本人総体は世界に冠たる資本家集団です。日本政府が推し進めてきた「貯蓄から投資」の流れは、日本人の政治・経済・社会に対する考え方を根本的に変えつつあります。米国発の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の問題は日本人の持つ株価を直撃しますし、インド株など外国株を積極的に買っている日本人も少なくありません。その結果普通の日本人が投資家、投機家の目線で日本や世界の政治・経済・社会のありようを選択します。18世紀末の近代市民革命とともに近代的な人権宣言が誕生し、“自由・平等・博愛”が宣言されました。しかし、今の日本人の行動をみると自由は求めても、平等や博愛について“そんなきれいごとを言っても”と無視する傾向があると思います。自分の目先の経済的損得が優先され、飢えやささいな病気で亡くなっている外国の子どもたちのことはおよそ思いもよらないのが私たち日本人の総体なのではないでしょうか。政治に無関心ではなく、飢えと病気に苦しむ人々に無関心なのが日本人の現実なのだと思います。

【感覚が知らず知らずにまひ】

 それやこれやを考えるとふーっとため息が出ます。私も含めて日本という物があふれ安全で居心地のいい環境に身を置くと、いろんな感覚が知らず知らずのうちにまひしています。私は日本国内における格差問題に関心はありましたが、日本とアフリカや南アジアの国々との格差問題には無関心でした。イラク、アフガニスタン、パキスタンなどの紛争地域の子どもたちの現状も悲惨です。世界に目を転じたからと言って、一個の人間に何ができるのかという疑問は残ります。そうであるにしても、この民族間格差は恵まれない国々の人々が自力で解消できる域をはるかに越えており、恵まれた国々の国民の意識改革なくして格差を縮めることは不可能です。

【2008年私は・・・】

 とは言っても、私に直接できることは日本国内のこと。今法律家として関心のあることは難病患者と家族への法的サポート体制の確立、国民の立場に立った司法の改革などです。法律家を離れて文学書も読みたいのですが、多分時間がないでしょうね・・・。2008年は2007年より良い年にしましょう。

          Nedorei2
 

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コメント

あけまして。
地元の福祉工場で働いてるものです。
ときどき、勝手にコメントを書かせてもらってます。いつも、そうだなぁと思いながら読んでいるのですが、今日はちょっと違和感を持ったので書かせてもらいます。

「恵まれた国々の国民の意識改革なくして格差を縮めることは不可能」というのにひっかかってしまいました。確かに、変わるべきは「南」ではなく「北」なのだと思います。新植民地主義の上に成立している物質的な豊かさにあぐらをかいて、エネルギーや食料の大量消費ができる国が「恵まれている」かどうかはともかく、ともあれ、飢えて死ねばニュースになるこの国の人びとの意識など乗り越えて、南の人々が変わっていく、もうこれ以上の「北」からの収奪はもう認めないという変化は南米から起こり始めているように思います。
 もちろん、アフリカの現状はそんなことを言ってられないほど厳しい部分もあるでしょう。でも、まず考えるべきことは意識の問題ではなく、構造的に踏みつけている足をどかすことではないかと思うのです。

投稿: tu-ta | 2008年1月 4日 (金) 03時57分

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