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2007年12月 2日 (日)

労働力人口2030年に1000万人減

                 (11月29日 日本経済新聞 より)
【厚労省推計】

 厚生労働省が28日まとめた推計によると、日本の2030年の労働力人口(15歳以上の就業者と求職者)は現在の6657万人から1070万人も減る。少子と高齢化は世界最速、先陣を切って人口減社会に突入し、働き手の減少ペースも類がない。“昔ながら”の仕組みでは社会の形を保つのが難しい。

【働く仕組み 変革必要に】

 日本の制度には働ける人まで働けなくしている面がある。例えば厚生年金では60歳以降も正社員などとして働くと、賃金に応じて年金が減ってしまう。慶応義塾大の清家篤教授は「働く意欲をそぐ制度。早く改める必要がある」と指摘する。企業の若者採用は新卒中心。パート女性の多くは夫の被扶養者にとどまるため「年収130万円未満」に仕事を減らす。人口増の時代から残る日本流を見直せば、1千万人分の「人材力」を引き出せるかもしれない-。

<高齢者1割で300万人>
 65歳以上の高齢者は現在約2700万人で、今後も増え続ける。
 一部の企業は高齢者活用に動き始めた。大手流通業のイオンは2月から定年を65歳に延長。トヨタ自動車は60歳以上の再雇用者に希望や業務内容に応じて4時間の勤務を認めている。
 現在65歳以上で働いている人は約500万人。2700万人のうち、あと1割が仕事に就いたとすると、「300万人」近い働き手が労働力不足を埋めてくれる。

<女性の潜在労働力350万人>
 日本は女性の力を十分に生かしていない。出産を機に女性の7割が仕事を辞める世界でも特異な国だ。在宅勤務や短時間勤務の充実で柔軟な働き方を用意し「引き留める」ことが第一歩となる。大手企業では制度が整い始め、帝人では長期勤続者がこの10年余りで23%から47%にまで伸びた。
 家事や子育てで仕事をあきらめている女性は「350万人」。柔軟な働き方ができれば潜在力が動き出す。

<ニートは60万人>
 18-34歳の働き盛りの人口は現在約2800万人。これが2030年には約1900万人と3割以上減る。
 仕事も学校にも行かず職業訓練も受けていないニートは62万人。定職につかない若者のフリーターは187万人。ニートは定職に就けるよう、フリーターは正社員など失業の心配なく働けるよう、再チャレンジの後押し策をもう一度盛り上げるときだ。

<先端技術磨けば百人力>
 人間に代わる労働力として期待されているロボット。すでに産業用分野で日本は世界一の「ロボット大国」。日本の産業用ロボット稼働台数は約37万台で北米やドイツを大きく上回る。
 介護や医療ロボットに商機を見出す会社も多い。セコムが食事支援ロボットを発売したほか、近く人間の手足の動きを助けるロボットスーツも登場する。日本ロボット工業会の予測では07年の日本のロボット出荷額は7600億円と過去最高を更新する見通し。日本の最先端が生きる。

<外国人向け制度づくり>
 高齢化で需要が高まる介護分野。政府はフィリピン人の看護師・介護士を受け入れる計画を進めていたが、フィリピン国会でいまだ認められず、「まったくメドが立たない」(厚労省)。
 経済協力開発機構(OECD)は日本が現在と同じ生産年齢人口を保つには年間50万人の外国人受け入れが必要と試算する。実際に日本で長期就業が認められた外国人は05年で約2万人。優秀な外国人が働くインフラを整えなければ、世界の人材争奪に出遅れる。

【識者の見方 年1%のマイナス成長も】

日本総合研究所ビジネス戦略研究センター・山田久所長
 労働力人口が2030年に1070万人減少した場合、日本経済は年1%程度のマイナス成長に陥る可能性がある。2030年を待たず、あと十数年後に実質成長率はマイナスに転じるだろう。
 労働力人口の減少によって、働いて賃金をもらう人が減り消費は低迷する。国内市場の衰退は避けられない。企業の海外移転が加速し、現場の担い手がいなくなれば製造業が競争力を保つのも難しくなる。少ない労働力人口が東京など大都市部に集中すれば地方の地盤沈下も進む。
 すでに一部の地方でみられる窮状は日本という国の未来かもしれない。成長率がマイナスになると税収が減る。国家財政はますます厳しくなり増税や行政サービスの縮小も覚悟しなければならない。
 労働力人口の減少を放置するわけにはいかない。技能が高い高齢者の再雇用は意味があるし、女性管理職の比率を増やし女性の働く意欲を高める必要もある。若者が多い非正社員の待遇改善も有効だ。減少ペースを国や企業、地域の工夫で抑え、一人ひとりの生産性を引き上げる。成長し続けるため、日本がやらねばならないことは明確だ。

【私の意見】Up63
                
<ムシのいい話>
 
中高年のリストラを行い、若者や女性の非正規雇用を拡大して労働コストの削減にまい進していながら、労働力不足となると手のひらを返したように高齢者を活用しよう、女性を活用しよう、ニートを活用しよう、外国人を活用しようというのはあまりにムシのいい話。なんとも無定見で、場当たり主義の国の労働政策にあきれます。

<外国から見ればぜいたくな話>
 仕事はあるけれども人が足りない。人が足りないとマイナス成長になる!他の国から見ればなんともぜいたくな話です。

<インドネシアの少女リウ>
 半月ほど前にNHKの衛星放送でインドネシアの16歳のストリート・チルドレンの少女リウを追ったドキュメンタリー番組を見ました。リウは12歳頃までは両親と弟妹3人と一緒に生活し普通の生活をしていましたが、父親の会社が倒産し失職して、それ以降父親がリウを厳しく叱るようになりました。なぐるけるの暴行も絶えず、リウは父をきらってストリート・チルドレンになりました。リウはストリート・チルドレンの仲間と一緒にうまくもない歌をうたって人々から投げ銭をもらって食いつなぎ、建物の軒下など路上で寝ながら生活をしていました。リウの母親はリウをさがしあて、家にもどそうとしましたが、がんこな父親は“おれはまちがっていない”と言って自分の態度をあらためず、リウももどりませんでした。やがてかつての同級生が中学を卒業し、高校に進学するようになってリウの心にあせりがでてきました。母親の説得で中学卒業検定試験を受けましたが失敗し、リウは更に遠い所へと逃げていきます。自分もストリート・チルドレンだった少女(18歳位?)がストリート・チルドレンを家にもどすボランティアをしており、リウが家に戻る決断をするうえで彼女が大きな影響を与えました。父親の失職は3年たっても続いていますが、がんこだった父親も“おれが悪かった。帰りたいときはいつでも帰ってくればいい”と言って、リウに謝り、リウも次第に家にもどるようになりました。

<フィリピンの看護師、介護士>
 フィリピンでは外国で働く看護師、介護士の育成に力を入れている映像を見ました。フィリピンの若者は日本語も勉強していますが、日本はなかなか受け入れてくれないと嘆いていました。日本経済新聞の記事はフィリピン国会が認めてくれないとなっていますが事実は逆だと思います。

<日本を先頭にアジア諸国が成長という虚像>
 かつて日本を先頭にともに成長すると言われていた韓国、台湾、アセアン諸国を雁の群れに例え、群れをなして成長するアジア諸国と言ってきましたが、しかしこれは日本人に都合のいい表現であって、日本には多少自国を犠牲にしてでも群れから遅れそうなアジア諸国の成長を応援するという考えはありませんでした。今、日本にとってアジアは市場として重要であり、低賃金の生産拠点として重要ですが、他国の成長は日本政府や経済界にとってはcompetitor(競争相手)の台頭であって日本をおびやかすような存在は官民一体となってたたきつぶしています。その結果アジア諸国の中日本の一人勝ちが続いているというのが現状です。

<グローバル化の世界で日本人のありようが問われるのはこれから>
 リウがストリート・チルドレンになったことと日本企業の一人勝ちは決して無縁ではないという思いで私は映像を見ていました。外国人の受け入れにしても日本は世界に冠たる鎖国国家です。受け入れるにしても研修という偽りの名目のもとに低賃金で働かせるなどアジアの若者にとって日本は自分の国より収入が多いので働きたい国ではあるけれともやさしさの欠けている国と見られています。
 グローバル化社会の中で私たち日本人のありようが本当に問われるのはこれからです。

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