« 派遣規制 労働側が攻勢 登録型禁止を | トップページ | アフガン部隊参加 野党に不協和音 »

2007年10月13日 (土)

京セラ 稲盛会長 社員の幸せ追う

【『働くニホン』 京セラ名誉会長 稲盛和夫氏 
                          きしみを越えて
                  (10月10日 日本経済新聞 より)

 組織を率いるリーダーは現場の力をどう引き出せばいいのか。経営者と社員のベクトルを一致させることは可能なのか。京セラの創業者として一貫して「和の経営」を主張してきた稲盛和夫名誉会長に聞いた。

【社員の幸せ追う】

 ――安倍前首相の突然の辞任で首相が代わり、リーダーのあり方が改めて問われている。リーダーの役割とは。
 「組織が目標に向かって進むには、その集団がどういう目的で存在するのかリーダーがはっきり示し、部下に理解・納得してもらわないといけない。世界平和のため、環境のためといった大義名分も必要だが、それだけでは働く人の日常から離れており、人を奮い立たせることはできない」
 「『美しい国』というスローガンは結構だったが、私たちの日々の生活からは遠かった。京セラは私が開発した技術を世に問う会社として1959年にスタートしたが、3年後に『全従業員の物心両面の幸せを追求する』という文書を社是に加えた。人類社会に貢献すると同時に、従業員が少しでも幸せな生活を送れるようにする必要があると考えたからだ」
 ――どんな組織が理想的なのか。
 「会社組織に経営者と社員という立場があるのは確かだが、私は昔から皆が同志でありパートナーという考えでやってきた。弁護士事務所のように同じ目的を持った人が集まり、上下でなく横の関係でやっていくという形だ。共に喜び共に苦しむ。一体感がある組織を作ることが一番大事だ」
 「リーダーは孤独といわれ、それが前首相の退任を招いた。しかし、苦しみを共有してくれる同志がいれば相当苦しい局面でも耐えていける。それにはトップが持っている経営哲学を開陳し、社員に理解してもらうことが大切だ。そういう組織は金太郎飴のようだとばかにされるが、だからこそ強い。トップにきちんとした哲学があるなら、まず金太郎飴であるべきではないか」

【意欲の低下防げ】

 ――正社員と非正社員など多様な人が同じ職場で働き、きしみも起きている。
 「経営者は株式価値を大きくするという使命のもと、働く社員をモノと見なしてきた。優秀な人を安い給料で雇って効率を上げる発想だ。非正社員は同じ職場で同じ仕事をしているのに待遇が違い、将来の保証もない。砂をかむような人間関係の中で働かせていれば、会社がひとたび傾いたときに内側から瓦解する。京セラは一部のパートを除けば、派遣労働者は使っていない」
 ――競争を勝ち抜くには経営効率を追求する必要があるのでは。
 「効率を求めたといえば言葉はいいが、経営者や株主がエゴイスティックになっている面はないだろうか。成果主義は経営者からみたら楽な手法だが、現場は疑心暗鬼に陥り、モラール(意欲)も低下していく」
 「3百年続いた中国・唐の太宗の言行録『貞観政要』に『君主たるものの道はまず百姓を存すべし』とある。知略を尽して君主になった人が、民を大事にしなければ国は滅びると言っている。経営も同じ。従業員が安心して働けるようにしなければ君主は倒される」

【稲盛和夫】
      (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 より)

 稲盛 和夫(いなもり かずお、1932年1月30日生まれ )、日本の実業家。京セラ・第二電電(現KDDI)創業者。
鹿児島県生まれ。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校を経て、1955年鹿児島大学工学部を卒業。卒業後、がいしメーカーの松風(しょうふう)工業を経て、1959年、社員8人で京都セラミックス(現在の京セラ)を設立し、10年後、株式上場。ファインセラミックスの技術で世界的な企業に成長させた。1984年には第二電電(DDI、現在のKDDI)を設立した。
1984年、財団法人稲盛財団を設立し、京都賞を創設した。また、若手経営者向けの経営塾「盛和塾」を非営利にて主宰し、若手経営者の育成も行っている。
2005年、立命館小学校こども顧問委員に就任。
朝子夫人は、「韓国農業の父」として知られる禹長春の四女である。

<稲盛和夫の言葉>
-人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力- 
 能力とは、才能や知能といった「先天的な資質」を表し、熱意とは、情熱や努力する心といった「後天的な努力」を表す。考え方とは、哲学や思想、倫理観といった生きる姿勢、それらをすべて包含した「人格」を表す。本人によると、最も大事なものが考え方であり、能力と熱意は0点から100点までの点数があるのに対し、考え方は-100点から100点までが存在する、とされている。

-動機善なりや、私心なかりしか- 
 DDIを設立し、電気通信事業へ参入するにあたって、自身の動機に利己的な心、「私心」がないかと、半年間にわたり自問したときの言葉。

-楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する- 
 物事を行うときに取るべき態度を表した言葉。構想を練る段階では、そのアイデアの可能性を引き出せるように楽観的になるのがよい。具体的な計画を立てる段階では、あらゆるリスクを想定し、慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練るのがよい。実行する段階では、思い切って行動するのがよい。

-自燃性の人間、可燃性の人間、不燃性の人間- 
 ここでいう燃性とは、物事に対する熱意や情熱を表す。自燃性の人間とは、自分から率先して物事に取り組み、エネルギーを周囲に分け与える人を指す。可燃性の人間とは、自燃性の人や、既に燃え上がっている可燃性の人の影響を受けて燃え上がる人を指す。不燃性の人間とは、周囲からエネルギーを与えられても燃え上がらず、むしろ周りの人から熱意や情熱を奪う人を指す。

【私の意見】Up63

 松下幸之助氏が1894年11月生まれで1989年4月に94歳で亡くなり、盛田昭夫氏が1921年1月生まれで1999年10月に78歳で亡くなり、鬼塚喜八郎氏が1918年5月生まれで2007年9月に89歳で亡くなりました。稲盛和夫氏は、1932年1月生まれで盛田昭夫氏や鬼塚喜八郎氏と比べ一回り若い世代ということになります。30代後半に京セラの上場をはたし、多方面で活躍し、私には“派手な人だなあ”という印象の方が強かったのですが10月10日の日本経済新聞の記事を見て“おや、自分の思っていた人と違うぞ”というのが正直なところでした。早くから起業に花開き、潤沢な資金をバックにしながら積極的に社会貢献活動をやってこられた方だということを知りました。“人のため世のために役立つことをなすことが人間として最高の行為である”というのが稲盛氏の理念です。稲盛氏の理念に賛同します。75歳の現役の経営者として稲盛氏が一層活躍されることを期待致します。

|

« 派遣規制 労働側が攻勢 登録型禁止を | トップページ | アフガン部隊参加 野党に不協和音 »

新聞記事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 京セラ 稲盛会長 社員の幸せ追う:

« 派遣規制 労働側が攻勢 登録型禁止を | トップページ | アフガン部隊参加 野党に不協和音 »