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2007年10月18日 (木)

アフガン部隊参加 野党に不協和音

                   (10月12日 日本経済新聞 より)

 民主党の小沢一郎代表が打ち出したアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)への自衛隊の参加という「持論」を巡って、党内外に不協和音が生じている。ISAF参加は政権を取った後の戦略とはいえ、武力行使を伴いかねず「憲法違反」との受け止めがある。

【小沢氏持論、抵抗強く】

 小沢氏の主張の根幹は、国連安全保障理事会の決議に基づく活動は「国連の発動」である自衛権を超えたもので、仮に武力行使を伴っても憲法9条には違反しないというもの。給油活動の継続に反対するのも直接的な国連決議がないとみるからだ。
 党内の旧社会党系や中堅・若手議員の一部には海外での武力行使への抵抗感が強い。11日の参院民主幹部らの会合では「政局の潮目の変化につながりかねない。政治家は得意分野で失敗しやすい」などの声があがった。
 同党幹部は一斉に不安の打ち消しに走っている。山岡賢次国会対策委員長は同日の記者会見で、小沢氏が持論に関して「嫌なら離党する以外にない」と発言したことについて「一般論を言っただけで、小沢氏の考えに賛成できなければ党にいられない、と言ったわけではない」と指摘した。
 ISAF参加論は、次期衆院選に向けて共闘を強めようとしている野党内でも反発が出ている。
 共産党の志位和夫委員長は記者会見で「新法に反対する一点では協力していく」と力説したが、ISAFへの参加は「憲法は国連決議があろうと、なかろうと海外での武力行使、威嚇を禁止している。憲法違反だ」と強調。社民党の福島瑞穂党首も連合大会で、小沢氏の退席後のあいさつで「ISAFへの参加は明確な憲法違反であり、認められない」と訴えた。

【公開書簡 「今こそ国際安全保障の原則確立を」
         自衛隊洋上給油活動 どう考えるべきか
      川端清隆氏への手紙  小沢一郎(民主党代表)】

                      (世界2007年11月号 より)

 自民党政府(内閣法制局)は今も、国連の活動も日本の集団的自衛権の行使に当たると解釈し、したがって国連憲章第7章第42条に基づく武力の行使(PKO、国連の認める多国籍軍等を含む)に参加することは憲法第9条に違反する、という解釈を続けています。では、それならなぜ、アフガンで「不朽の自由作戦」を主導する米軍を自衛隊が支援できるのでしょうか?集団的自衛権の行使を、ほぼ無制限に認めない限り、日本が支援できるはずがないのです。実際、カナダ、オーストラリアなどもその作戦に参加していますけれども、日本以外の参加国はほとんど集団的自衛権の行使として米軍に協力しています。
 ところが、日本政府は今も、集団的自衛権の行使は憲法上できないと主張しています。貴方も思い起こして下さい。湾岸戦争の時、自民党幹事長だった私は、戦闘部隊を送る必要はないけれども、せめて後方の野戦病院や、あるいは補給艦による物資などの輸送などはできるのではないか、と強く主張しましたが、内閣法制局も各省の当局者も反対しました。その時の憲法解釈は、国連活動の後方支援であっても、武力の行使と一体のものだ、だから、それに参加することは憲法第9条に抵触する、という論理でした。

 私は、日本国憲法の考え方からいって、米国であれどの国であれ、その国の自衛権の行使に日本が軍を派遣して協力することは許されないと解釈しています。同時に、国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理論に合致するという考えに立っています。

 つまり、個々の国家が行使する自衛権と、国際社会全体で平和、治安を守るための国連の活動とは、全く異質のものであり、次元が異なるのです。国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。したがって、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に抵触しない、というのが私の憲法解釈です。
 ちなみに、そのことについて、明確に述べている憲法学者がいます。横田喜三郎さんという東大教授で、のちに最高裁判所長官を務めた方です。横田さんの著書をお読みいただけば、より明確に理解していただけると思います。
 それから貴方は、私がアフガンのISAF(国際治安支援部隊)への参加の可能性を示唆していると書いていますが、私の主張はそんなあいまいな話ではありません。国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動に日本が参加することは、ISAFであれ何であれ、何ら憲法に抵触しないと言っているのです。もちろん、具体的にどんな分野にどんな形でどれだけ参加するかは、その時の政府が政治判断をして決めることです。しかし、日本政府はこれまで、全て日本国憲法を盾に国連活動への参加を拒否してきました。私は、まずその姿勢を改めるべきだと、繰り返し主張しているのです。

 もちろん、今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したいと思っています。また、スーダン(ダルフール)については、パン・ギムン国連事務総長がかつてない最大規模のPKO部隊を派遣したいと言っていますが、PKOは完全な形での国連活動ですから、当然、それにも参加すべきだと考えています。

 繰り返しますが、日本の国際社会への貢献、特に侵略あるいはテロに対する強制力の行使について、日本はこれまで、憲法を盾にとって一貫して消極姿勢をとってきました。私は、それは大きな過ちだと考えています。しかし同時に、日本国憲法の理念と第9条の考え方は、変える必要がない、むしろ忠実に実現すべきだと思っています。したがって、憲法の理念に従って、あらゆる分野で国際貢献を積極的にしていかなければならない、というのが私の結論です。

【私の意見】Up63

 安倍晋三という右翼的政治家に反対していたときは、小沢一郎氏は平和の旗手のようにうつりがちでしたが、小沢一郎という人物は、まあこの程度の人でしょう。憲法9条に対する忠実度においても、集団的自衛権の抑制においても、小沢一郎氏よりも福田康夫現首相の方がまだ信頼できるといえます。小沢氏が「もちろん、今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したいと思っています」と断定している点については安倍晋三氏と共通した軍事行使を正義とする思想が根底に流れていて恐くなりました。小沢氏は長い間政治家をやっているわけですから国連決議が大国の駆け引きでいかようにも変わることを十分知っている筈です。国連決議があれば自衛隊は海外で武力行使をできるというのは子どもじみた論理です。そのうえ、米軍、カナダ軍、オーストラリア軍が武力行使をすることによってアフガンの人々は幸せになっているのでしょうか。これに日本軍が加われば更に幸せになると小沢氏は本気で思っているのでしょうか。米軍の介入をきっかけに国民相互の殺傷がイラクだけでなくアフガン、パキスタンにひろがっている実態をどのように受け止めているのでしょうか。ねじれ国会はひとりひとりの政治家の真価が問われます。同時に日本国民も真価を問われる重大な岐路に立っているといえます。

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