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2007年6月25日 (月)

買収防衛策導入と株主総会の多数派工作

【ニュースがわからん! 委任状争奪戦って何なの?】
                       (6月23日 朝日新聞 より)

 コブク郎 楽天とTBSがやっている「委任状争奪戦」って何なの。株主総会と関係があるみたいだけど・・・。
 A  会社の重要方針を決める株主総会が今月下旬に多くの企業で開かれる。総会には経営陣が役員選任や株主への配当などに関する議案を出すが、株主にも提案権がある。楽天は買収防衛策導入の厳格化と、三木谷浩史楽天社長らの社外取締役選任を求めている。
 株主は持ち株数に応じて議決権があるが、自分で行使することもできるし、ほかの株主に行使を委ねることもできる。委ねる場合の書類が委任状だ。議案の可否は株主の多数決で決まるため、ほかの株主に自分の提案に沿った行使をしてもらうか、賛同を求めて委任状を集めようとする。委任状は英語でプロキシというのでプロキシファイトとも呼ばれる。自らの方針への指示を訴える「多数派工作」だね。
 
 コブク郎 TBS以外にも争奪戦があるの?
 A  アデランスは5月の総会で買収防衛策の是非を巡って外資ファンドと争い、経営陣側が勝利した。ドトールコーヒーは今月下旬、同業他社との経営統合を巡って外資ファンドと経営陣が争う。役員選任や配当金額が争点の企業もある。
 日本企業は長年、経営にはあまり口をはさまない安定株主に支えられる持ち合い構造が続いてきた。最近は、注文をつける外資ファンドなどの保有比率が高まり、争奪戦が増えているんだ。

 コブク郎 どうやって指示を訴えているの?
 A  株主名簿をもとに株主に手紙を送ったり、電話をかけたりして委任状を集める。持ち株数の大きい株主には直接会い、自らの議案を説明するケースもある。選挙にたとえれば、持ち株数の大きい企業や大口投資家は、いわば多数の組織票を握る団体の幹部だ。これに対し、個人投資家は浮動票のようなものだ。

 コブク郎 争奪戦はこれからも増えるのかな?
 A  株主総会に詳しいアイ・アールジャパン社の寺下史郎さんは「日本は米国などに比べ、株主提案がしやすく、勧誘対象の株主も調べやすい」と言う。経営をチェックすることに関して株主の意識は年々高まっている。今後も争奪戦となるケースは増えていきそうだ。 (中川透)

【米スティール代表初の会見 「投資、3-5年が基本」】
                    (6月13日 日本経済新聞 より)

 米投資ファンドのスティール・パートナーズを率いるウォレン・リヒテンシュタイン代表が12日都内で記者会見した。「企業との関係を重視し、3-5年の長期投資を基本とする」と説明。スティールが仕掛ける買収に、新株予約権使った防衛策で対抗するブルドックソースには「反対(活動)を進める」と述べ、差し止め請求などにより法廷で是非を争う可能性も示唆した。
 リヒテンシュタイン代表は欧州系証券会社が主催するセミナーで講演するため来日。記者会見を開くのは世界で初めてだ。

<スティール・パートナーズ>

 1990年にウォレン・リヒテンシュタイン氏が中心となって米国で立ち上げた投資ファンド。「スティール」の名称は初めての投資先が鉄鋼株だったことに由来する。投資先企業に株主還元などを積極的に働きかける「モノを言う株主(アクティピスト)」として知られる。
 欧米のほか日本、韓国などで投資。日本では2002年にスティール・パートナーズ・ジャパンを設立し、日興証券出身の西裕介氏が代表を務める。日本企業への投資は「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド」が手掛け、サッポロホールディングスや日清食品などの食品株のほか、シチズンホールディングスの大株主になっている。

<ブルドックの買収防衛策 反対を言明>

 スティールにTOB(株式公開買い付け)を仕掛けられたブルドックは7日、新株予約権で対抗する方針を発表。24日に開く株主総会で出席株主の3分の2以上の賛成が必要な特別決議に諮る。スティールに割り当てる新株予約権は行使させない条項を盛り込んでおり、同代表は「会社法の株主平等の原則に反する」と批判した。
 また日本の産業界で、株式大量購入者に目的や事業計画などの開示を求めたうえで対抗策を発動する、「事前警告型」の防衛策を導入する企業が増えていることについて「世界の中でも最悪(の手法)」と強調した。
 同代表はスティールが「(保有株を投資先企業に買い取らせる)グリーンメールをやったことはなく予定もない」と高値での売り抜けを狙ったファンドではないと説明。日清食品が実施した明星食品のTOBに応じて、利益を得たことに対しては「経営陣が日清食品に売るように言ったからだ」と主張した。
 「資本構造や経営が非効率で、企業価値に比べ株価が割安な企業」を投資対象にすると表現。株価引き上げのための意見を会社に提出し、「反応がない場合はその意見を公開し、経営陣を交代させることや全株式を取得することもあり得る」と述べた。
 スティールが買収を提案したサッポロホールディングスなどからは「過半数の株式取得を目指しながら、実際の経営をする意思がない」との声も聞かれる。これに対し同代表は「企業のオーナーになることと経営者になることは別」と反論。「オーナーとして経営陣に権限を渡し、しっかりやってもらう」と述べた。
 「敵対的」とみられることが多い点については、「我々の要求は敵対的ではない。経営陣に前向きにとらえてほしい」と訴えた。

【ゴーン社長 矢面総会】
                       (6月21日 朝日新聞 より)

 カルロス・ゴーン社長就任後、初の営業減益となった日産自動車の株主総会が20日、横浜市で開かれた。「世界販売420万台」などの必達目標(コミットメント)の達成を1年先送りしたことに対する株主の視線は厳しく、ゴーン社長の辞任や役員報酬の削減を求める声が上がった。
 出席した株主は昨年より393人多く、過去最多の2135人だった。質問に立った株主は8人で、うち4人はゴーン社長の経営手法の問題点をただした。「ゴーン氏のだれも寄せ付けないカリスマ性が、社員の愛社精神を低下させている。ゴーン社長の役目は終わったのではないか」などの厳しい指摘も出た。

<減俸要求に拍手>

 取締役9人で計25億円という年間役員報酬額の削減を求める意見には、大きな拍手が上がった。
 さらに「日産にはなぜハイブリット車がないのか」など、トヨタ自動車やホンダが先行している環境技術面での遅れを指摘する意見も多かった。
 ゴーン社長は「目標未達という結果を真剣に受け止める」とあいさつ。前年、常勤取締役4人に計3億9千万円を支払った役員賞与を今年は支給しないことを表明した。
 それでもゴーン社長は「経常利益や営業利益率などは高水準だった」と反論。トヨタや本田に比べて「株価水準で過小評価されている」といらだちものぞかせた。
 07年4~6月の業績は前年同期を下回るとしながらも、08年3月期は世界で10車種の新型車を投入する効果などが見込まれるとして「当初予測は変更しない」と強気の見通しを示した。記者会見では、インド市場向けに1台3千ドル程度の超低価格車の開発が可能か、仏ルノーと共同調査していることも明らかにした。
 総会後の懇親会では、株主に囲まれてサインを求められるなど、人気の高さは相変わらず。ゴーン社長は「想定外のことも、驚くべきこともなかった。ご信任いただけたと思う」と話した。

【私の意見】Up63_37

<最近の株主総会もよう>

 このところ株主総会ラッシュで、これに関連する記事を3つ掲載しました。これまで日本の会社の株主総会と言えば、各企業は特殊株主としてマークする暴力団系株主による混乱を防ぐことに主力を注ぎ、それさえ防げばその他の株主は会社(取締役会)の提案にほとんど賛成していました。いわゆるシャンシャン総会がほとんどでした。ところがライブドアや村上ファンドの活躍(?)を契機として、ここ数年敵対的買収も増え一般株主の争奪戦が展開され、裁判闘争にもなっています。ブルドックソースの件では会社(取締役会)側の買収防衛策導入が6月24日の株主総会で3分の2以上の賛成を得て可決しました。しかし、スティール側は裁判所へ買収防衛策差し止めの申立てをしており、裁判所の判断が注目されます。裁判所は少数派株主の持分割合を多数派株主の決議で減少させることは、特段の理由がないかぎり認めないという立場をとってきましたので3分の2以上の賛成があったということでブルドック側の買収防衛策をみとめるかどうか微妙なところです。日産のゴーン社長に対する厳しい質問は昨年までとは違い、手のひらを返したようで非情のようにもみえますが、これが現実です。ただ大多数の株主はゴーン社長の提案には賛成しています。

<私と株主総会>

① 私が顧問をしている東証1部上場会社3社と未上場の大会社1社の定時株主総会が6月22日(金)から6月28日(木)の1週間に集中しています。5月後半から各社が株主に送付する招集通知状、事業報告書、計算書類、議決権行使のための参考書類等の事前チェックを行い、総会開催日が近づくと想定質問、リハーサル、総会当日の進行についてのアドバイスに追われます。今回ブログの更新が1週間空いてしまいましたのはこのためです。ご了承下さい。

② 私は、一方ではうつの労働者や障害のある労働者の代理人として他の企業を相手に内容証明郵便を送って労働者の立場で交渉し、訴訟も行っています。そんなこともあって私の顧問会社には、仮に労働問題が発生したときは私は代理人にはならないので他の弁護士に代理人を依頼していただくようお願いし了承してもらっています。なお私が顧問会社の労働者側の代理人となって顧問会社を相手方とすることは弁護士法上禁じられています。

③ 私の顧問会社の1つである㈱アシックスは、6月22日(金)に株主総会がありすでに終了しましたが、その準備のときに想定質問として、a,うつ病により休職している労働者の数と会社のメンタルヘルス対策 b,障害者の実雇用率について私から事前に書面で質問しました。回答は従業員4230名のうちうつ病による休職者は数名ということです。少ない方だと思います。障害者の実雇用率も法定雇用率をみたしていました。法務部長によるとCSR(企業の社会的責任)を重視し、各社員がボランティア活動を行っているとのことです。

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