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2007年5月 2日 (水)

日米首脳会談 謝る相手が違わないか

【4月29日 朝日新聞社説】

 安倍首相が就任後初めて米国を訪問し、ブッシュ大統領と会談した。
 首相は旧日本軍の慰安婦問題で謝罪し、大統領はそれを受け入れた。両首脳は、拉致問題を含めて北朝鮮に強い姿勢で臨むことを確認した。ともに両国間にすきま風が吹いていた課題だ。
 亀裂はとりあえず修復され、初の訪米は無難に終わったと言えるだろう。しかし、問題は本当に解決に向かっているのだろうか。
 慰安婦の話題を持ち出したのは首相の方からだった。
 「人間として、首相として、心から同情している。申し訳ない思いだ」
 大統領は「慰安婦問題は世界史における残念な一章だ。私は首相の謝罪を受け入れる」と応じた。
 首相は胸をなで下ろしたことだろう。だが、このやりとりは実に奇妙である。
 首相が謝罪すべきは元慰安婦に対してではないのか。首相はかつて河野談話に反発し、被害者に配慮ある発言をしてきたとは言い難い。国内で批判されても意に介さないのに、米国で紛糾すると直ちに謝罪する。何としたことか。
 問題が大きくなったきっかけは「当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかった」という首相の発言だった。日本としての責任を逃れようとしているものと、海外では受け止められた。
 米議会では、慰安婦問題で日本に公式に謝罪を求める動きがあり、これに弾みを与えた。メディアも「拉致で国際的支援を求めるならば、日本の犯した罪を率直に認めるべきだ」(ワシントン・ポスト紙)と厳しかった。米政府内にも首相の見識を問う声が出た。
 慰安婦は、単なる歴史的事実の問題ではない。国際社会では、女性の尊厳をめぐる人権問題であり、日本がその過去にどう向き合うのかという現代の課題と考えられているのである。
 首相の謝罪で、米国内の批判に対する火消し効果はあったかもしれない。しかし、日本が自らの歴史とどう向き合っていくかという大きな問題は、実は片づいていない。
 対北朝鮮では、核問題を進展させるために対話路線に転じた米国と、拉致問題が進まなければ支援に応じないとする日本との間に、溝ができていた。
 会談では、北朝鮮が核廃棄に向けての合意の履行を遅らせたら追加的な経済制裁をすることを確認した。大統領が拉致問題への怒りを改めて表明するなど、足並みをそろえて見せた。
 だが、北朝鮮が合意の履行に動けば、再び溝が現れる。テロ支援国家の指定をはずすかどうか、重油などの支援を広げるかどうか。今回の日米連携の確認は、そこまで踏み込んだものではなさそうだ。
 首相と大統領は「揺るぎない日米同盟」をうたい、それを象徴するバッジをおそろいでつけた。演出は結構だが、今後はその内実が問われることになる。

【私の意見】Up63_20

 衛星放送でアメリカ市民がホワイトハウス前で、安倍首相の訪米に反対するプラカードををかかげて抗議行動をしているのを見ました。その中にShame(恥)と書いたプラカードをもった日系人(もしくは日本人)の女性が居ました。すっかり保守性が身についた日本国内に住む国民は自国の首相が国際的に恥ずべき言動を行っても誰も異を唱えようともしません。マスコミもアメリカにおける抗議行動を報道する姿勢を欠いています。

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