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2007年5月 6日 (日)

日本の新戦略 地球貢献国家をめざそう

            (朝日新聞 2007年5月3日 社説21 提言より)

【提言 日本の新戦略 憲法60年】

 日本国憲法は今日、満60年を迎えた。この間、なにかと改憲論の試練にさらされてはきたが、この憲法が日本の民主主義や平和を支える基盤となってきたことは疑いの余地がない。
 憲法記念日は「言論の自由」の記念日でもある。新聞にはかつてその自由を奪われ、あるいは自ら自由を放棄した苦い過去がある。そして朝日新聞にとって今日は、記者が凶弾によって命を奪われて満20年という特別な日でもある。
 そんな日にあたり、私たちは「社説21提言・日本の新戦略」として、一挙に21本の社説を掲げた。昨年4月から展開してきたシリーズ「新戦略を求めて」の集大成だ。

 「地球貢献国家」をめざそう。
 これが「新戦略」のキーワードだ。
 地球温暖化や人口激増、グローバル化による弊害・・・・。さまざまに迫る地球上の困難に対し、省エネ、環境技術をはじめとする得意技で貢献する。さまざまな国際活動の世話役となって実りを生む。それが、日本の国益にも直結する。

【9条生かし、平和安保基本法を】

 「戦争放棄」の第9条を持つ日本の憲法は、そのための貴重な資産だ。だから変えない。これも私たちの結論だ。
 ただし、準憲法的な「平和安全保障基本法」を設けて自衛隊をきちんと位置づけ、「専守防衛」「非核」「文民統制」などの大原則を書き込んではどうか。憲法の条文から自衛隊が読み取れないという「溝」を埋めるための工夫である。
 国連主導の平和構築活動には、一般の軍隊とは異なる自衛隊の特性を守りながら、より積極的に加わっていくことも、基本法にうたうのがよい。内戦や飢餓などで破綻した国の存在は、テロや戦争だけでなく、麻薬や感染症などの恐怖を広げてしまう。その防止もまた「地球貢献」の重要な一環なのだ。
 以上が「社説21」の柱である。

 憲法と自衛隊や日米安保条約。私たちの先輩も戦後、この関係を真剣に考え、悩み続けてきた。最近では「戦後50年」にあたる95年に社説特集を組み、「非軍事こそ共生の道」と訴えた。そこでは「良心的兵役拒否国家」の考えをとり、自衛隊の役割はあくまでも国土防衛に限るとして、国連平和維持活動(PKO)には別組織の派遣を主張した。

 PKOについては、実績の積み重ねも踏まえて02年9月、これを自衛隊の役割にするよう社説で主張を変えた。国連の平和構築を重んじる今日の提言は、その延長上にある。
 だが、日本の特色は「非軍事」にこそあるという点は変わらない。むしろ、とかく軍事にとらわれがちな「国際貢献」の発想を「地球貢献」に広げ、日本の活路を多角的に考えた。社説を多彩に展開した意味はそこにある。

【私の意見】Up63_21

 “地球貢献国家をめざそう”という朝日新聞の提言は大賛成です。何よりもめざす方向がプラス志向であることがとてもよいと思います。そのプラス志向を実現する上で「『戦争放棄』の第9条を持つ日本の憲法は貴重な資産だ」と高く評価しています。安倍首相によれば、私たち憲法9条擁護派は「日本人であることを卑下する」国民であり、「日本の欠点を語ることに生きがいを求める」国民として蔑視しています(「美しい国へ」228頁)。また、御手洗経団連によれば私たちは「弊害重視派」ということになります(「希望の国日本ビジョン2007」1頁)。私たちと安倍首相、御手洗経団連とは誇りに思う中味が全く異なっているのです。自衛隊に関する朝日新聞の意見については憲法9条を守る立場からも異論があるでしょう。そうではありますが、日本を代表する新聞が「だから、変えない」と言いきってくれたのはとても頼もしいし、この時期に意味の大きいことだと思います。どうか社是として今後の政権党の攻撃にもめげず、憲法をそして国民を守っていってほしいと願うばかりです。

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