« 臓器移植法改正案採決へ こわ~い動き | トップページ | 日米首脳会談 謝る相手が違わないか »

2007年4月29日 (日)

地理から見えてくる「日本」のすがた

【佐藤裕治監修「地理から見えてくる日本のすがた」】
                      (2007年4月 中経出版

 日本という国を小・中・高で習う地理から見つめるという本でとても面白い本です。私が講演でしゃべっていたことの中にまちがいがあることにも気づきました。100のテーマに分けて楽しく読めるように工夫がしてあります。この本のデータをタネに物知り顔にしゃべることができますのでお手元に置くと便利です。1冊1680円です。私もこの本をタネに何回かブログでしゃべらせていただこうと思っていますが、今回は日本の自然についての客観的な記述をご紹介します。
  Tenki01
【世界の北限と南限の日本】

☆南北差の大きな日本

 日本における領土の南北に渡る広がりは、およそ北緯20~45度と約25度に及び、実際に人が住んでいる島でみると20度の緯度差がある。日本より南北の緯度差の大きな国土をもつ国には、アメリカ合衆国、ロシア、カナダ、中国、ブラジルなどの広大な国やチリ、ノルウェー、アルゼンチンなど南北に長い国などがある。しかし、これらの国のうち、サンゴ礁の海と氷で覆われた海の両方をもつ国は、日本のほかはアメリカ合衆国のみである。
 日本は亜熱帯から亜寒帯まで、南北の気候環境が大きく異なる。北緯30度以北でサンゴ礁が見られるのは、鹿児島の種子島付近と大西洋のバミューダ諸島のみであり、北緯45度以南で氷に覆いつくされた海が見られるのは、北半球では北海道沿岸のオホーツク海のみである。すなわち、日本は「北」の要素と「南」の要素が圧縮された位置にある。

【日本の川と自然特性】

☆まるで滝のような日本の河川

 明治政府が招聘した外国人の土木工学技師ヨハネス・デ・レーケ(オランダ、1842~1913)は、洪水後間もない常願寺川(富山県)を見て「これは川ではない、滝だ」と叫んだと伝えられている。最近の研究ではデ・レーケはそんなことを言ったわけではないようだが、この言葉が示すように日本の河川は勾配が急で、普段は水量が少ないものの、一度大雨が降るとまさに滝のように一気に流れ落ちる。常願寺川のような日本の河川を「河況係数が大きい」という。河況係数は最大流量を最小流量で割ったもので、これが大きい川は流量変化が厳しく、治水や利水に相当の努力を要する。信濃川(小千谷付近)での河況係数は「117」で、日本の河川としては小さな値だが、海外を見ると、例えばドナウ川(ウィーン付近)で「4」とケタ違いに小さい。なお、乾季に水が流れない乾燥地域の河川では河況係数が「∞」(無限大)となるが、常願寺川なども∞となっている。

【森林大国日本】

☆世界有数の森林率を誇る日本

 日本の国土の約2/3は森林であり、日本より森林率が高い国は10カ国程度に過ぎない。世界的にみると森林率の高い国は、ほとんどが熱帯や、亜寒帯にあり、温帯で森林質の高い日本は例外的である。これは、モンスーン地帯にあたる日本が温帯としてはきわめて降水量が多いため、森林の生育に必要な水が豊富であることのほか、山地面積割合が大きいためである。日本の森林はその大半が山地にみられ、山はほとんど森林におおわれている。平地は山裾まで水田、畑、集落などが広がり、盛り上がった山地は高山を除けば山頂まで森で覆われている。世界的には山が森でないところが多い。乾燥地域の山地は森林が形成されず岩がむき出しで、山麓の湧水がみられる地域でのみ樹木が生育している。ヨーロッパでも、アルプスなどの高山は森林限界を超え、岩肌が露出し、低山は山頂まで放牧地が広がる。タイガとよばれる針葉樹の純林やアマゾン川などの流域に広がる熱帯雨林はいずれも平地林である。

【日本の気温】

☆なぜ日本の四季ははっきりしているか

 日本は四季がはっきりしていて、それぞれの季節で独特の現象が生じる。これは、地球の自転軸である地軸が23.4度傾いた状態で365日周期で太陽の周りを回っている(公転)ため、太陽が直射する位置は、地球が公転する間に赤道を中心として南北に移動することと関係がある。日射が最も強い点が高緯度に達する限界は、緯度にして23.4度(地軸の傾きと同じ)、つまり南北の回帰線である。北緯25~45度付近に位置する日本は、夏には太陽が直射する位置に近く、冬にはこの位置から遠ざかる。そのため、私たちは日本にいながらにして1年の間に熱帯から寒帯までの天気を体感できる。

【日本の降水量】

☆世界平均の2倍も雨が降る日本

 日本の平均年降水量は1700~1800㎜であり、北陸地方や東海以西の西南日本では2000㎜を超える。これは、700~1000㎜とされている世界の平均年降水量と比べると2倍前後の値である。緯度別の平均降水量と比べると、日本の平均年降水量は熱帯と大差なく、しかも日本海側の地方を除いて夏を中心とする季節に集中する。これは温帯の大陸東岸に共通してみられるが、要因の一つは海からの高温多湿な夏の季節風である。また、降水量について特筆すべきは「数時間~数日の降水量の最大値は世界最高クラス」という点である。こうした激しい雨をもたらすのは、日本では特に梅雨や秋霖、台風の時期に発達しやすい積乱雲である。

【御礼】

 たいして面白くもない私のブログを時折覗いて下さりありがとうございます。おかげさまでアクセスしていただいた回数が1万回を超えました。

|

« 臓器移植法改正案採決へ こわ~い動き | トップページ | 日米首脳会談 謝る相手が違わないか »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 地理から見えてくる「日本」のすがた:

« 臓器移植法改正案採決へ こわ~い動き | トップページ | 日米首脳会談 謝る相手が違わないか »