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2007年2月 9日 (金)

法人税率の単純な数値比較は間違っている!

-2月3日  日本経済新聞 記事 より-

【法人税下げ主要国で加速】
【実効税率20%台主流】
【企業競争力高め国も成長】

欧州を中心に主要国で法人税率を引き下げる動きが広がってきた。ドイツが国税と地方税を合わせた実効税率を2008年から現行より約9%低い29%台にするほか,フランスも今後5年間で20%への引き下げを検討。オランダなど今年から減税する国も多く,実効税率は20%台が主流になりつつある。企業の競争力を高めないと,国全体の成長と雇用を維持できないとの共通の危機感がある。40%程度で高止まりしている日本は国際競争力で後れを取るとの指摘もある。

-同日 日本経済新聞「解説」 より-

【主要な税源を間接税にシフト】
  

各国が法人税率下げに動いているのは,グローバル化の進展で企業が税負担の軽い国に拠点を移す傾向が広がっているためだ。自国内の企業の競争力を高めると同時に国外から企業を引き寄せて冨を稼がなければ,雇用や家計所得も伸びず,国の成長にかかわるとの共通認識がある。

消費税など国民に広く薄く負担を求める間接税を主な税源へとシフトさせ,企業や国の競争力の根幹にかかわる法人税については負担を軽くするという考え方だ。
こうした動きに一部で「国民に負担を強いた上での企業優遇」との反発もあるのは事実だ。だが各国政府は,企業の力強い成長が雇用や個人消費に波及し,国内景気の好循環を生み出す原動力になる点を無視できなくなっている。

-1月30日 日本経済新聞記事 より-

【キャノン8期連続最高益へ 今期 純利益,前期は4500億円】

キャノンの業績が一段と拡大する。2007年12月期は連結純利益(米国会計基準)が前期比9%増の4950億円と,八期連続で過去最高となる見通しだ。

29日発表した06年12月期の連結決算は純利益が前の期に比べ19%増の4553億円となり,初めて4千億円台に乗せた。製造業の06年度純利益では,いずれも07年3月期に1兆5500億円見込むトヨタ自動車,5千億円台を計画するホンダや日産自動車の三社に次ぐ高い水準だった。

07年12月期は売上高が前期比7%増の4兆4500億円,営業利益は8%増の7650億円と,ともに過去最高を更新する見通しだ。

【私の意見】Up63_4

① 日本経済新聞は日本を代表する全国経済紙でありすぐれた記者の方も多く知っていますが,税制改革についての論調はややバランスを失しているように思います。
論調は日本経済団体連合会の御手洗富士夫氏(キャノン会長)の意見そのままです。これは安倍内閣の意図するところでもあります。日本経済新聞には政府や日本経済団体連合会の主流の意見を反映しなければならない立場があるのかな?と多少感じざるを得ません。

② 日本政府の常套手段は都合のいいところだけ外国との数字を比較して,国民のマインドコントロールをすることにあります。トヨタやキャノンをはじめ日本の輸出型大企業は空前の利益をあげているにもかかわらず,昨年における国民の現金給与は実質減少しました。

③ ドイツの労働者の労働時間は日本よりはるかに少ないですし,フランスでは出産休暇中の所得補償などの母子保護政策によって1人の女性が一生の間に生む子どもの数の平均は2.005人に上昇し,子だくさんの国に変わりました。日本は1.26人です。障害者の法定雇用率も日本が1.8%に対しフランスは6%です。

④ 法人税を下げることだけで物価の高い日本に外国企業を引き寄せることができると本気で思っているのでしょうか。政府も経済界代表も都合のよい数字を並べるという姑息な方法をやめ,大局的見地から国民が安心して暮らせる政策や税制を追求する姿勢をもってもらいたいものです。

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コメント

今年入社し、まだわからないことが多いですが、おっしゃる通りだと思います。報道や国、経団連の言い分をしっかり聞けば聞くほど「?」な論理展開になっている気がします。

例も挙げれないような愚な主観に過ぎませんが…

法人税 比較
このキーワードで飛んだので過去記事へのコメントになってしまいました
すいません。

では失礼

投稿: さとし | 2011年12月 7日 (水) 22時10分

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