« 平成の鬼平の絶頂と失意、小説「霧の旗」 | トップページ | 失われた世代に支援を »

2007年2月17日 (土)

武家社会研究家 笠谷和比古さん

- 2月7日 日本経済新聞 夕刊 より -

【歴史学者 笠谷 和比古さん】

(かさや かずひこ)国際日本文化研究センター教授。1949年兵庫県生まれ。京大院修了。専攻は日本近世史・武家社会論。著書に『主君「押込」の構造』(サントリー学芸賞)『士の思想』『徳川吉宗』など。

【米国流のリストラの横行は深い傷を残した】

バブル期に「もはや欧米に学ぶことはない」というおごりの風潮ががあった。しかし崩壊後は逆に日本型経営を全否定し、米国流のグローバル・スタンダードを適用せよ、という大合唱が起きた。人件費を切り詰めて利益を出すリストラが吹き荒れた。
日本型組織は個人の主体性を阻み、談合、なれ合い、事なかれ主義を生む非能率的なものとされた。従業員あっての会社という伝統的な考え方は古いとされ、会社側の都合によるリストラが横行し、雇用不安という深い傷を残した。

【日本型組織は人的資源を大事にした】

私はこうしたポスト・バブル期の対応は誤っていたと考えます。なぜなら弊害があるものの、日本型組織は欧米型とは違った形で、個人の自立や能力主義という普遍性を内包しているからです。強調したいのは日本型組織が人的資源、つまり従業員を大事にしてきたということです。
米国のように資源が豊富で人材も次々と調達できる移民型社会では、使い捨てでもかまわないでしょう。しかし、資源のない日本では人材を育てることが大切。先輩が後輩に技術を伝承しながら、年季を積むごとに仕事ぶりが認められて段階的に昇進するのが年功主義です。欧米とは違った日本型能力主義・成果主義といってよい。こうした日本型組織は徳川吉宗の時代からあったのです。

【徳川吉宗の人材登用】

徳川吉宗は優秀な人材を登用するために「足高制」を導入した。身分の低い幕臣も高い役職につける制度で、低い家禄の幕臣が高い役職についた場合、在任中は役職基準石と家禄との差額が「足高」として支給された。身分制度と能力主義を調和させたシステムだ。

【和食のように世界に通用するものがまだたくさんある】

いま世界中から和食が評価されていますね。日本には和食のように世界に通用するものがまだたくさんある。これからは米国流の覇権型ではない、各国が普遍的なものを出し合う共存型の多元的グローバリズムの時代でしょう。

【私の意見】Up63_6

笠谷和比古さんを私はこの記事ではじめて知りました。武家社会から現在のグローバリズムを斬る視点に斬新さを感じ紹介しました。

|

« 平成の鬼平の絶頂と失意、小説「霧の旗」 | トップページ | 失われた世代に支援を »

新聞記事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 武家社会研究家 笠谷和比古さん:

» うれしいコメント見つけましたよ [緑の扉]
サラリーマンの方へこんな記事を見つけましたよ。今後のFX投資の参考になると思います。『以下引用』イングランド銀行のキング総裁は先週末の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席。席上、独仏などが「円が安過ぎる」と主張したことに対し、総裁は過去... [続きを読む]

受信: 2007年2月19日 (月) 16時49分

« 平成の鬼平の絶頂と失意、小説「霧の旗」 | トップページ | 失われた世代に支援を »